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入国管理局に収容されたクルド人が語った現実

「これは人権問題です。家族と引き離され、病院に行くときは手錠をかけられます」

東京・品川の「東京入国管理局」で、今年1月から収容されているチョラクさん(38)に私は面会した。チョラクさんは、トルコ国籍をもつクルド人。ご存知の通りクルド人は、トルコ、イラク、シリアなどに広く住む、国家を持たない最大民族で、いまも多くの迫害にあっている。

チョラクさんは、兄がクルド人の独立運動に参加していたことから、自分の身にも危険を感じ、14年前の2004年、身重だった奥さんを国に残して、埼玉に避難していた兄を頼って来日した。

その後奥さんもチョラクさんを追って来日し、いまはトルコで生まれた長男(中学2年生)と日本で生まれ小学校に通う次男・三男の5人で生活している。

いま日本にいるクルド人は、埼玉を中心に2千人以上と言われている。しかし、難民認定されている人はゼロだ。

「14年間、仕事が出来ない」

面会は録音録画禁止、入国管理局の職員の立会いのもとで行われた。

「2004年に日本に着いて1週間後、ここ(東京入国管理局)に来て1回目の難民申請を行いました。その際は難民認定されず、仮放免(在住は許可するが就労は不可)となりました。その後も2回申請しましたが、いずれも認定されず、4回目の申請中の今年1月に仮放免の延長のために訪れたところ、『きょうから認めません』と言われ、家族で私だけ、そのままここに収容されました」

収容されている部屋は、ナイロン畳に8人が共同生活をしている。国籍がバラバラのため共通言語は日本語のみ。朝7時に起床、夜10時に就寝するほかは、朝昼晩の食事がある。その間は自由時間で、入浴や面会、運動で時間をつぶしている。

就労できないチョラクさんの一家は、「配偶者ビザ」で働いている兄(奥さんが日本人)が生活の面倒を見ている。

「14年間仕事が出来ません。長男はトルコ国籍ですが、次男と三男は日本で生まれても、国籍は認められません」

日本では無国籍の子どもであっても通学できる。しかし、国籍のない彼らにとって小中学校は義務教育でないため、通学していない子どもたちもいるという。

日本の難民認定率は0.2%以下

今年5月、アメリカのトランプ大統領が不法移民に対して導入した「不寛容政策」で、2千人以上の子どもが親から引き離され、世界中から非難されたことはまだ記憶に新しい。トランプ氏の政策には当時多くの日本人が批判したが、実は日本国内でも親子が引き離される現実があり、いまも続いていることを知らない。

「家族とは電話で話をしていますが、私はいつここから出られるのかわからない。妻はいま心を病んでいます。これは人権問題です。難民条約のどこに(無期限収容していいと)書いてあるのですか?この収容の目的は何ですか?トルコに帰りなさいということですか」

難民条約では、難民の基本的な人権を保障し、迫害のおそれのある国への追放・送還の禁止、定住に対する便宜を与えることなどを定めている。

日本も難民条約に加入しているのだが、一方、難民認定には世界的に見て極めて高いハードルを設けている。昨年度の難民申請数は、約2万人(うち処理件数は約1万1千人)。しかし認定したのは20人と、認定率は0.2%以下だ。

政府は人口減少の中労働力を確保するため、外国人労働者を積極的に受け入れる方針に転換した。しかし一方で、政治問題が絡む難民受け入れには消極的なままだ。

難民申請者の支援を行うNPO

日本に在留する難民申請者の支援を行うNPO法人WELgee(ウェルジー)の代表・渡部清花さんは、「彼らは強制送還こそされないものの『いてもいい、でも働いてはダメ』というありえない状況にいる」という。

「ただ、難民認定されなかったらそれで終わりなのかというと、そうではないというのが私たちの考えの根底にあります。難民認定による安定的な法的地位ではなく、別の方法での法的地位を作ることを、私たちは彼らと共に目指しています」

(続きはソース)

8/10(金) 12:04配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00010002-fnnprimev-soci