赤字状況を掲示 市バス利用促す

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/sendai/20180814/6000002385.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

仙台市は市バスがすべての路線で赤字になっていることから、バスの車内に
路線ごとの赤字状況を明記したポスターを掲示して、市民の利用を促す取り組みを14日から始めました。

仙台市の市バスは46路線ありますが、利用者数が低迷し、平成28年度、
初めてすべての路線で赤字となり営業赤字は40億円に上りました。
市では深刻な赤字を市民に知ってもらうことでバスの利用を促そうと、
それぞれの路線の赤字の程度を表す指数を記入したポスターを14日から掲示することになり、
仙台市太白区の長町営業所でも、担当者がバスの窓の上の壁面に貼りつけて掲示していきました。

指数は100円の収入に対してどの程度費用がかかっているかを示していますが、
市バス全体で164になっていてポスターは
「たくさんのご利用をお願いします」という呼びかけで締めくくられています。
仙台市によりますと、この指数が1000を超えている路線も3つあり、
400以上となっている路線については、停留所にも呼びかけを掲示することにしています。

仙台市交通局輸送課の大浦健志課長は、
「1回乗った人は2回、2回乗った人は3回と、少しでも
市バスを利用する機会を増やしてもらい、バスの経営を支えて欲しい」と話していました。

仙台市の市バスは、ピークの昭和55年度には年間のべ1億1000万人が利用していましたが、
平成28年度の利用者は3700万人と、3分の1に落ち込んでいます。
市によりますと、労働人口の減少や地下鉄の南北線や東西線が開業したことによる
市バスの路線の変更も影響しているということです。

100円の収入に対してかかる費用を示した指数が最も高いのは、仙台市西部の作並と八ツ森を結ぶ
八ツ森線で、指数が「1826」と費用が収入の18倍にのぼっているほか、仙台市北東部の、
JR陸前高砂駅と東仙台を結ぶ余目線が「1347」などと大幅な赤字になっています。
営業赤字は年々深刻化していて、平成26年度が30億円、平成27年度は32億円、
平成28年度が40億円となっています。

地下鉄東西線の八木山動物公園駅から東北大学や宮城教育大のキャンパスなどを経て、
青葉台までを結ぶ「工学部・宮教大線」は、赤字状況を示す指数が「428」とワースト10に入っています。
14日午前10時前に八木山動物公園駅の停留所を出発した際の乗客は1人で、終点までの乗客は合わせて2人でした。
通勤のためにこの路線を利用しているという男性は、
「赤字がこれほど深刻だとは知りませんでした。日頃から乗客は少ないですが、
通勤で使っているのでなくなると困ります」と話していました。
また、市内中心部へ行くために利用しているという90歳の女性は、
「自分1人だけしか乗っていない時は申し訳なく思います。
バスを小さいものに変えるなど工夫の余地はあると思います」と話していました。

全国の政令指定都市のうち、市営バスを運行しているのは、仙台市を含めて7か所です。
このうち、100円の収入を得るのにかかる費用を示す指数はいずれも平成27年度で、
京都市が「89」と最も低く、次いで横浜市が「94」で黒字になっています。
また、神戸市が「104」、名古屋市と北九州市が「109」、川崎市が「112」となっています。
仙台市の平成27年度の営業係数は「147」で、政令指定都市の中では
もっとも採算がとれていない状況で、その後も経営の厳しさに拍車がかかっています。

08/14 18:54