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2018/08/16(木) 10:33:39.90ID:CAP_USER9ドル・円は下落、新興国懸念での米金利低下受け−一時110円台半ば
池田 祐美
2018年8月16日 9:28 JST
・ドル・円は朝方の110円74銭から一時110円48銭まで下落
・米長期金利が下がりドルも下落、米利上げ鈍化観測もー三菱ＵＦＪ銀
東京外国為替市場のドル・円相場は下落。中国やトルコなど新興国市場を巡る懸念を背景とした米長期金利の低下を受けて、ドル売り・円買いが先行した。リスク回避の動きから、円は主要通貨に対して全面高となっている。
ドル・円相場は16日午前９時20分現在、前日比0.1％安の１ドル＝111円58銭。朝方に付けた110円74銭から、一時110円48銭までドル安・円高に振れた。
三菱ＵＦＪ銀行経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト（ニューヨーク在勤）は、「米長期金利が下がりドルも下がった。トランプ米政権がトルコに対して追加制裁する可能性もあり、当面は不安定な状況。また、米中通商問題懸念から中国株が下落し、新興国のリスクオフにつながっている」と分析。「米利上げペースが鈍化する可能性があり、円高の方に傾きやすい。新興国不安が続き、リスクオフの地合いが続けば、９月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）でその後の利上げペースを再考する可能性がある」と語った。
米長期金利は前日に４ベーシスポイント（bp）低下の2.86％で終了。この日の時間外取引では2.85％台に下げている。一方、前日の米国株安の地合いを引き継ぎ、東京株式相場は大幅続落。日経平均株価は一時300円を超える下げ幅となっている。
ＪＰモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は16日付リポートで、「昨日は世界の主要株価指数は軒並み下落し、トルコリラ以外の新興国通貨が比較的大きく売られたこともあって、円高・ドル高となった。そうした中でも円の強さが目立ち、円独歩高」と解説した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、米政府はトルコへの追加制裁を検討しており、トルコ航空への規制などが含まれているという。15日に匿名の政府高官を引用して報じた。一方、トルコ紙ヒュリエトによると、トルコ裁判所は、米国人牧師の釈放請求を却下した。
一方、カタールのタミム首長は15日、トルコのエルドアン大統領とアンカラで会談。カタールはトルコに150億ドル（約１兆6600億円）の直接投資を約束した。ドル・トルコリラ相場は同日、一時１ドル＝5.8660リラまでリラ高に振れた。13日には一時7.2362リラとリラが過去最安値を更新していた。
ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1％安の１ユーロ＝1.1338ドル。前日には一時1.1301ドルと昨年６月28日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。
三菱ＵＦＪ銀の栗原氏は、「短期的なユーロの下落はトルコリラ安に連動している形。リラがいったん反発して安値更新しなければ、ユーロも下げ渋るだろう」と指摘。「米国人牧師解放は短期的に難しいとしても、トルコ中銀の利上げなど選択肢はある。カタールが資金を出す話もあり、ロシアも支援する可能性もある」と述べた。
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