※総踊りスレ

アベノミクスは完全に終わるかもしれない――。15日、そんな囁きが市場で多く聞かれた。

きっかけは、SMBC日興証券が15日公表した今期(2019年3月期)の業績予想だ。東証1部(3月期決算企業)の1470社を対象にした調査で、純利益予想は前期比2.1%減。3年ぶりのマイナスとなる見込みで、「まさか、これほどヒドイとは……」「秋以降の相場はメタメタかも」といった声が相次いだ。

足元の業績が好調なだけに、「想定外の結果」だったという。

「第1四半期(4〜6月)の純利益は前年同期比で10%以上も増えています。最終的には、この貯金をすべてはき出しても足りず、減益になるということです。経営者は夏以降の極端な景気悪化を予想していることになります」(株式評論家の倉多慎之助氏)

■安倍政権の弱腰が原因とも

業種別では、自動車(輸送用機器)が17.6%減、銀行が8.2%減、建設が4.9%減だ。

「企業トップは、トランプ米大統領が検討している輸入車への追加関税を警戒しています。保守的な計画を立てざるを得ない状況でしょう」(株式アナリストの黒岩泰氏)

輸入車の関税が現状の2.5%から25%にハネ上がったら、トヨタ自動車は4600億円(年間)の負担増になるといわれる。1台当たりにすると平均66万円だ。

「安倍政権はトランプ大統領の言いなりで、追加関税に対して強気な発言をしない。そのシワ寄せが、企業の弱気な業績予想につながっているのです。3年ぶりの減益予想は、市場の流れを大きく変えるマイナス要因です。9月の総裁選で安倍首相が3選を果たしても、株価下落は避けられないでしょう。アベノミクス相場は終わります」(市場関係者)

今回の業績予想には、発生したばかりの“トルコ・ショック”は考慮されていない。

「トルコのリラ安だけでなく、きのうは中国の人民元も対ドルで1年4カ月ぶりの安値をつけています。こうなるとリスク回避の円買い(円高)を警戒する必要があります」(倉多慎之助氏)

追加関税にトルコ・ショック、円高……と悪材料のテンコ盛りだ。企業業績の悪化が、アベノミクスにトドメを刺す。

2018年8月16日
日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235520/1