高齢者医療・介護が専門の奈良東病院(奈良県天理市)で平成28年8月、看護師らが80代の男性患者を入浴させる際に、酸素吸入チューブの接続方法を誤った結果、
容体が急変し、死亡していたことが16日、同病院への取材で分かった。病院側は医療事故として遺族に説明し、すでに再発防止策も講じたという。

病院によると、男性は誤嚥(ごえん)性肺炎を繰り返すようになり、気道確保のために鼻からチューブを入れる措置を取っていた。
当時病院に勤務していた30〜50代の女性看護師3人が、医師の判断を仰がずに男性に酸素吸入チューブを接続。
本来は男性と酸素ボンベとの間に「T字コネクター」と呼ばれる器具を装着すべきだったが怠ったため、酸素ボンベから空気が一方的に男性に流れ込み、排気ができずに呼吸困難になったという。

病院では事故後、呼吸管理が必要な患者の対応マニュアルや職員の研修体制を整備するなど、再発防止策を講じたという。
病院は「医療事故の責任を感じている。二度と起こらないよう、教育と職員間の情報共有を徹底したい」とコメントした。
奈良東病院は平成元年に設立され、病床数は260。運営グループは関西地方で、認知症高齢者グループホームなど42施設を運営している。

2018.8.16 19:57 産経新聞
https://www.sankei.com/west/news/180816/wst1808160070-n1.html