→パウエルFRB議長は講演でタカ派的姿勢を維持するとの見方
→ドル・円は1ドル=111円30銭台、米2年債利回りは2.62%に上昇

24日の東京株式相場は上昇する見込み。米国の金利上昇期待を背景に為替市場でドル高・円安が進んでおり、業績期待から電機など輸出関連、鉄鋼など素材、銀行や保険など金融中心に高くなりそう。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日、ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀が開く年次シンポジウムで講演する。同連銀のジョージ総裁はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、トランプ大統領の批判が米金融当局に影響することはなく、年内もう2回の利上げが望ましいと話した。23日の米2年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて2.62%。外国為替市場ではドルが買われ、けさのドル・円相場は1ドル=111円30銭台で推移。東京株式市場の昨日終値時点は110円88銭だった。

  大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは「米国では利上げに耐えうる経済指標が出ており、パウエル議長は粛々と利上げを行っていくと話すだろう。しばらく利上げスタンスを維持するため、為替相場が一気に円高に振れる状況ではない」と述べた。日本の主要輸出企業は今期想定レートを1ドル=105円とするケースが多いとし、「現状では6円ほど計画に対してのりしろがある。1円の円安は経常利益を0.43%押し上げるため、上期決算発表時に通期計画が上方修正されるとの期待がある」とし、相場の押し上げ要因になると付け加えた。

  売買は引き続き低迷しそうだ。パウエルFRB議長が当面は利上げ継続を打ち出すとみられる中、「先行きが要注目。あと1年足らずで4回の利上げを行えば中立金利とみなす2.9%を超えてくるため、そうしたコメントが出てくると打ち止め観測からドル安に傾く可能性があり、不透明感から商いは薄いだろう」と大和証の石黒氏は話していた。米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の23日清算値は2万2490円と、大阪取引所の通常取引終値(2万2410円)に比べて80円高だった。

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Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-23/PDXQDT6JTSE801