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「スマホ決済」でサービス競争激化
2018年8月28日 4時23分IT・ネット

現金を使わずにQRコードなどを読み取って買い物ができる「スマホ決済」をめぐって、各社のサービス競争が激しくなっています。
QRコードやバーコードを使った決済は買い物客がスマートフォンで表示するコードを店舗側が読み取ったり、店舗側が示したコードを買い物客が読みとることで支払いをします。

QRコードなど利用した決済サービスで先行する「楽天」は一定の売り上げのある店舗には端末の導入費用を実質無料にしていて、今月からは宅配ピザの「ピザーラ」が全国およそ200店舗で導入しました。

また「LINE」の決済サービスは、利用できる店舗や自動販売機が先月末の時点で9万4000か所と、ことしに入っておよそ4倍に増えていて、今月からは老舗デパート「阪急阪神百貨店」も導入しました。今月からは小規模な店舗向けに開発した決済アプリを導入した場合、手数料を3年間無料にするキャンペーンも始めました。

「LINEPay」広報担当の上岡真由さんは「各社が参入して競争は激しくなっている。LINEならではのメッセージ機能や客とのつながりにひも付けて加盟店にアピールしたい」と話していました。

「ソフトバンク」と「ヤフー」は新会社を設立し、この秋からQRコードなどを使った決済サービスを始めます。インドの電子決済大手と提携し技術面を強化するとともに特定の方式を導入した店舗は手数料を3年間無料にします。

新会社「PayPay」の中山一郎社長は「参入は少し遅くなったが、3つの事業者が組むことで十分取り戻せると思っている。多くの方にキャッシュレスの利便性を体験してもらいたい」と話していました。

このほかにも「NTTドコモ」がことし4月に参入したほか、「KDDI」や「ゆうちょ銀行」も参入を予定しています。

参入が相次ぎ競争が激しくなることでサービスの向上や手数料の引き下げが期待されますが、会社ごとにQRコードの読み取り形式などが異なっていて、消費者には利用しにくいことが普及の課題になっています。

中国で爆発的に普及

QRコードやバーコードを使った「スマホ決済」は買い物客がスマートフォンで表示したコードを店舗側に示す方法と店舗側が示したコードを買い物客が読み取る2つの方法があります。

多くの人が持っているスマートフォンで決済ができるという便利さや、店側が専用の端末を設置しない方法も選べることから、クレジットカードや電子マネーの利用者が少なかった中国で爆発的に普及しています。

このため、中国観光客の利用を見込んでネット通販大手アリババグループが運営する「アリペイ」やIT企業テンセントのグループが手がける「ウィーチャット・ペイ」などを国内で導入する日本企業も増えています。

一方で事業者によって読み取り形式が違い、使える店舗が分かれることから利用者にとってはわかりにくい状況になっていると指摘されています。

このため政府は、ことし7月に200余りの企業や団体が参加する「キャッシュレス推進協議会」を設置し、QRコードの読み取り形式の標準化を目指しています。

乱立もようの中で、どこまで足並みをそろえることができるかが、QRコードをつかったスマホ決済の普及に向けた今後の行方を左右しそうです。