豪雨で崩落した茶すり山古墳の斜面=7月7日、朝来市和田山町筒江(朝来市教委提供)
https://kobe-np.co.jp/news/tajima/201808/img/b_11586254.jpg

 7月の西日本豪雨で、兵庫県朝来市和田山町筒江にある国史跡「茶すり山古墳」の斜面の一部が、幅8メートル、長さ10メートルにわたって崩落していたことが分かった。市は、市議会9月定例会に提出する一般会計補正予算案に、復旧工事費として約1370万円を計上した。

 市教委文化財課によると、崩落したのは、2007年に整備した北西側の斜面。斜面の上には埴輪の並ぶ園路が巡らされているが、崩落箇所の周辺は約15メートルにわたって園路の端に亀裂が入っており、斜面全体がずれている可能性もあるという。

 現状のまま復旧すると、今後同様の崩落を招く恐れがあるため、盛り土部分を増やして傾斜を緩くするなどの対策をする。復旧工事では、国や県の補助を申請する方針。

 茶すり山古墳は直径90メートル、高さ18メートルで、5世紀前半に築かれ、円墳としては近畿最大規模。畿内とのつながりを背景に、但馬を治めた王の墓と考えられている。(長谷部崇)

神戸新聞NEXT 2018/8/28 18:35
https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201808/0011586253.shtml