筑波大学などは、土耕栽培と水耕栽培でレタスの味に違いが出ることを突き止めた。同じ肥培管理をしても土耕では糖と苦味成分が多く、水耕ではうま味成分が多くなった。料理によって使い分けるなど、ブランド戦略に活用できる可能性がある。光や肥培管理を変えて栽培し、成分の変化も調べる。食味や機能性成分を高めるような栽培方法をさらに検討する。

 リーフレタス2品種「ブラックローズ」「レッドファイヤー」を使い実験した。光は、現場の栽培条件を模して、土耕は太陽光に近い白色発光ダイオード(LED)で、水耕は植物工場での赤、緑、青色LEDの混合光で栽培した。日長は16時間。土耕は市販の実験用培土を使い、養液などの肥培管理は同等。

 33日間栽培して収穫し、栄養成分を全て分析した。2品種とも、土耕の方がショ糖やアラビノースなどの糖が多かった。また、レタス特有の苦味成分も多かった。水耕では、グルタミン酸が土耕の約2倍多いなど、うま味の基となるアミノ酸が多かった。

 土耕と水耕で差が出る理由について研究グループは、「根の状態や吸収効率の違いが、食味にも影響する」と分析する。同大生命環境系の草野都教授は「食べ比べて分かる味の違いが、研究でも確かめられた。土耕の苦味や、水耕のすっきりした味など、好みで選べそうだ」と話す。

 植物工場を手掛けるキーストーンテクノロジー、理化学研究所と共同で実施した。

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