【台風21号】関電・岩根社長会見詳報「想定よりはるかに大きい」…大規模停電、岸和田や尼崎、和歌山市内で深刻被害
2018.9.5 13:02
http://www.sankei.com/west/news/180905/wst1809050044-n1.html

 台風21号で大規模な停電が発生したことを受け、関西電力の岩根茂樹社長は5日午前10時、大阪市北区の本社で緊急会見を開き、陳謝した。岩根社長は冒頭、「台風21号の影響により、発生した停電に伴い、多くのお客さまに長時間にわたりご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません」と頭を下げた。
 被害の状況については「369本の電柱が折損するなど、当社設備に大きな被害が出た。昨日午後9時時点で最大約170万件が停電した。本日(5日)午前9時時点で58万件となった」と説明。関電と協力会社の8千人体制で取り組んでおり、中国電力、四国電力、九州電力などにも協力を要請している。復旧のめどについては「現時点で復旧見通しは難しいが、できるだけ早く復旧したい」と述べた。
 大規模な停電により、関電には利用者からの問い合わせが殺到。コールセンターはつながりにくい状況が続いており、要員を増員して対応しているという。
 ただ、自動更新で停電情報を届けるウェブ上のサービスは停止しており、岩根社長は「1時間ごとの停電件数を発表し、ツイッター、フェイスブックでもでも情報発信している。こちらでも確認してほしい」と呼びかけた。

会見での岩根社長の主な一問一答は以下の通り
 −−復旧の見通しは難しいとのことだが、おおむねの復旧見通しは
 「現時点で見通すことは困難。大部分の地域において本日より3日程度(7日中)で停電を解消したい。ただ、道路の寸断などで近づけないことも想定される。自治体とも連携したい」

 −−今回は最大規模の台風が来ると事前に分かっていた。もうちょっと対策できなかったのか
 「事前の情報の共有、復旧対策の準備は行っていた。従来以上に飛来物、樹木の倒壊があり、想定したよりはるかに被害が大きかった」
 −−送電線への影響は
 「まったくゼロではないが、代替の電線を使って対応した。供給支障に至っている状況ではない」
▼【台風21号・関空ルポ】轟音、停電、携帯つながらず…まさかの孤立、食料はバナナのみ、身にしみた準備の大切さ
 −どの地域で被害が大きかったのか
 「明確には言えないが大阪府岸和田市は電柱の折損、設備被害の状況は大きい。また兵庫県尼崎市を中心とした阪神間も停電が多く、和歌山市内も被害が多い」
 −−これだけの停電は歴代でも大規模では?
 「平成にいたってからは最大規模。これまで最大が16年8月30日〜31日にかけての16号で停電件数は延べ件数で56万件。今回は瞬間最大で170万件、延べ件数で210万件に達しているので4倍近い。圧倒的最大の台風だ」