関西空港の閉鎖で、貨物便を運航する航空会社では他の空港を使って代替輸送する動きが出ています。物流の拠点となっている関西空港の閉鎖が長引けば企業活動への影響が広がることが懸念されます。

関西空港は昨年度の貨物の取扱量が前の年度より13%増加して85万トンを超え、一日平均ではおよそ2300トンに上る物流の拠点です。

空港を運営する「関西エアポート」によりますと、日本をはじめアメリカやアジアなどの航空会社が貨物便を運航し、貨物便は21か国の45都市を結んでいます。

このうち、全日空のグループ会社で、貨物輸送を行っている「ANACargo」は、関西空港と中国 上海や香港などを結ぶ貨物便を運航していますが、空港の閉鎖に伴い、現在、全便欠航しているということです。

このため会社は関西空港から輸出する予定だった貨物をトラックなどを使って成田空港に移し、そこから貨物便で代替輸送する対応をとっています。

大阪税関のまとめでは、関西空港からの輸出は中国を中心とするアジア向けが7割を占め、品目別では半導体などの電子部品が最も多く、このほか液晶パネルやスマートフォンの部品などもあります。

大阪税関は「関西空港から中国などの現地工場に原材料や部品を送っている企業が多く、閉鎖が長引けば今後の企業活動への影響が懸念される」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180905/k10011610751000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005