露外務省
菅官房長官発言に反論「歴史的事実忘れる習性」

 【モスクワ大前仁】ロシア外務省は5日に声明を出し、菅義偉官房長官が北方領土で2日に開かれたロシアの対日戦勝式典に抗議したことについて「東京(=日本政府)が歴史的な事実を忘れてしまう習性を映し出している」と批判した。

 声明は「歴史から適切な教訓を得ようとしない日本の姿勢は、平和条約問題の解決に向けて大きな支障とみなされている」と指摘。
 日露両国は今月10日ごろ、ロシア極東ウラジオストクで首脳会談を予定しているが、平和条約問題で容易に譲歩しないロシアの姿勢を改めて鮮明にした。

 ロシアは9月2日を対日戦勝記念日に定めており、北方領土の択捉島などで関連する式典を催した。
 菅氏は4日の記者会見で外交ルートを通じてロシア側に抗議したことを明かし、理由について「北方四島に関する我が国の立場と相いれない」と説明した。
 またロシア艦艇28隻が1〜2日に宗谷海峡を通過したことに関し「ロシア軍の極東における動向を引き続き注視する」と述べた。

毎日新聞2018年9月5日 21時40分(最終更新 9月6日 04時38分)
https://mainichi.jp/articles/20180906/k00/00m/030/127000c