徳島市主導の実行委が初めて主催した今年の阿波おどり(8月12〜15日)について、有料演舞場(4か所)のチケット販売率が66・5%(前年比17・9ポイント減)と前年を大きく下回ったことが7日、わかった。前主催団体「市観光協会」の累積赤字問題を受けて実行委が運営を担ったが、一部踊り手グループが、中止となった「総踊り」を独自に決行するなど混乱があった。てこ入れを図るため、実行委は有識者会議を設けて、来年以降の運営態勢などを検証する。

 イベント終了後、初めて開かれた実行委の会合で、市が報告。有料演舞場は市役所前、藍場浜、紺屋町、南内町の屋外4か所で、公演は2部制。2017年度の販売率は84・4%だった。

 今年は、特に終了時間の遅い2部の販売率が伸び悩み、市役所前で33・3%(前年65・7%)とほぼ半減、例年2部に総踊りが行われていた南内町でも61・5%(97・1%)と大きく減らした。事務局の市は「日帰り客が多かった」などと説明したが、委員からは「低迷した演舞場は存続を含めて検討すべきだ」などの厳しい意見もあがった。

 期間中の人出も過去最少の108万人にとどまっていた。

 また、旅行業や宿泊業関係者らでつくる有識者会議を設けることも報告され、チケットの販売方法のほか、実行委の運営態勢や踊りの演出法などの改善策を提言してもらう。

 実行委員長を務めた遠藤彰良市長は、販売率の低迷について「現実は真摯しんしに受け止める。販売方法はしっかり検証したい」と述べた。今年の収支について「厳しいと思っているが、数字が出てから申し上げたい」と明言しなかった。

 会合では、総踊りを決行した「阿波おどり振興協会」への対応も協議、文書で遺憾の意を伝えることを決めた。(矢野彰)

2018年09月08日 10時17分
YOMIURI ONLINE
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