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東日本大震災発生当日 消防の通報記録
2018年9月11日 22時35分東日本大震災

東日本大震災で合わせて2000人余りが犠牲となった宮城県気仙沼市と南三陸町を管轄する消防本部の震災発生当日の通報記録が、残されていたことがわかりました。175件の通報を隊員たちが紙に書き残したもので地震の揺れから津波、それに、大規模な火災と刻々と状況が変化していったことが記録されています。

東日本大震災当日の通報記録を保存していたのは、気仙沼市と南三陸町を管轄する気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部で、多くの地域の消防で通信が途絶える中、午後7時すぎまでに175件の通報を受けました。

午後2時46分の地震発生から3分後の最初の電話による通報は「ガスボンベが倒れ、ガスが噴出している」ことを知らせるもので、その後も家具の倒壊や建物から出られないことなどによる救助を要請する通報が寄せられました。

しかし、午後3時半すぎからは津波で浸水した地域からの救助要請が殺到し「老夫婦が車に閉じ込められたまま、流されている」とか「海の上を畳で流されている」といった内容の通報も寄せられています。

さらに、夕方になると大規模な火災が発生し「火の海になっている」とか「タンクが爆発している」などと通報内容がより深刻になっています。

被災地の多くの自治体では記録をすでに廃棄していてこの消防本部では、未曾有の災害での消防活動を将来的に検証できるようにと隊員たちが紙に書き残したということです。

住民の避難に詳しい東京大学の関谷直也准教授は「津波はいざというときに119番通報しても間に合わないし取り残されて救助に行こうとしても、浸水・がれきにはさまれて、当分は救助に行けない災害であって、自分たちで避難することの大切さを改めて認識させる記録だと思う」と話しています。

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