中南米が原産とされる薩摩芋が日本に伝来したのは、慶長2年(1597)年のこと。
 中国に漂流した宮古島の役人が帰島する際、中国から苗を持ち帰ったのが始まりと
 されています。 薩摩芋と呼ばれるようになったのは、薩摩藩(鹿児島県)での栽培が
 盛んになってからで、それまでは、唐芋《からいも・とういも》、甘藷《かんしょ》、琉球藷
 《りゅうきゅういも》などと呼ばれていました。

 野菜の中でもトップクラスの甘味を持つため、現在ではスイーツとしてのイメージが強い薩摩芋
 ですが、戦中戦後を経験されたご年配の方々には、非常食や飢饉食といったイメージが先行する
 のではないでしょうか。

 薩摩芋が国内に広まった最大の要因は、育て易さにありました。