【9月15日 AFP】英イングランドとウェールズで14日、約5000人の刑務所職員が急激に悪化する職場での暴力に抗議し、短時間のストライキを実施した。両地域の刑務所では、1日に平均27人の職員が暴力を受けている。

 刑務所の環境は、近年の緊縮政策によって運営職員が約20%削減されて以来、急激に悪化している。

 127か所の矯正施設の安全について過去1年間に発行された4つの緊急報告書は、施設の秩序が「完全に崩壊」し、事実上、受刑者が施設を支配するようになる恐れがあると指摘している。

 イングランドとウェールズに約3万人いるとみられる刑務所職員の90%が加入している労働組合「刑務官協会(POA)」は、職員らに対して別途通知があるまで刑務所の外にピケを張るよう呼び掛けた。

 POA全国執行委員会のデイブ・クック(Dave Cook)氏はAFPに対し、「2010年以降、受刑者同士の襲撃が3万1025件発生している」と述べ、「職員に対する攻撃は1日に27.4件起きている」と明かした。

 ロリー・スチュワート(Rory Stewart)司法副大臣がPOAは法律違反をしていると非難し、刑務所職員を職務に復帰させるため訴訟を検討していると警告すると、POAはその数時間後にストライキを打ち切った。

 POAは、スチュワート氏と「有意義な話し合い」を行って共同行動計画を立てる約束を取り付けたことから、抗議行動の中止を決めたと述べた。(c)AFP

2018年9月15日 11:54
AFPBB News
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