京都縦貫自動車道の京丹波パーキングエリア(PA)内にある道の駅「京丹波 味夢(あじむ)の里」(京都府京丹波町曽根)の隣接地に、民間企業がホテル建設を計画していることが20日、分かった。土地を所有する同町は建設に協力する方針。2020年に開業予定で、町内観光の活性化やインバウンド(訪日観光客)などの誘客を目指す。高速道のPAに隣接するホテルの設置は府内初という。

 味夢の里は縦貫道の全線開通に合わせ、2015年に開業した。農産物直売所やレストランがあり、年間約290万人が訪れる。

 町は町内に四つある道の駅の活性化事業を募集したところ、不動産大手の「積水ハウス」(大阪市)などでつくる合同会社から味夢の里でのホテル建設が提案され、8月に協議対象に選定した。

 ホテルは、一般道から進入する側の駐車場に事業者が建設して運営し、町は土地を貸し付ける。3階建て71室を備え、レストランは作らず、共用のキッチンやダイニングを設ける。京丹波の魅力を知ってもらう書籍を置き、同町産の弁当やワインを販売して観光振興につなげる。京都市とクルーズ船が寄港する舞鶴市の中間にある立地を生かしてインバウンドの利用も期待している。

 今後、事業者と協定書を結び、道の駅の区域変更などを国と協議する。町商工観光課は「町内に宿泊施設が少ないのが課題だった。民間活力の活用で道の駅の付加価値が高まり、ホテルが町内や京都府内を観光する拠点になる」と期待する。


京都新聞 2018年09月21日 11時20分
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180921000062