武装集団による軍事パレード襲撃が起きたイラン南西部アフワズで、負傷した子どもを搬送するイラン革命防衛隊の隊員(2018年9月22日撮影)
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武装集団による軍事パレード襲撃が起きたイラン南西部アフワズで、子どもを搬送する兵士(2018年9月22日撮影)
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【9月23日 AFP】イラン南西部アフワズ(Ahvaz)で22日に開催されていた軍事パレードを武装集団が襲撃し、女性や子どもを含む少なくとも29人が死亡した事件を受けて、同国のハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は同日、「痛烈な反撃」を誓った。

 対イラク国境に近いアフワズで起きたこの襲撃について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。一方、イラン当局者らは武装集団の背後に親米の中東諸国政権がいるとの見解を示した。

 事件を目撃した現地記者のベフラド・ガゼミ(Behrad Ghasemi)氏によると、銃声は10〜15分間鳴り響き、武装集団の少なくとも1人はイラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)の軍服を身に着け、自動小銃AK47(カラシニコフ、Kalashnikov)1丁で武装していたという。

 ガゼミ氏は襲撃当時の状況について、「最初はパレードの一環だと思った。しかし10秒くらいたって(当局者の)ボディーガードたちが応射を始めたことで、テロリストの攻撃だと気付いた」、「なにもかもがめちゃくちゃになって、兵士たちは逃げ始めた」とAFPに語った。

「4歳の子どもや女性が撃たれるところも見た。テロリストたちは特に標的を定めず、まるでできるだけ早く、誰彼構わず撃っている様子だった」

 ロウハニ大統領は首都テヘランで行われたイラン・イラク戦争(1980〜1988年)の開戦を記念する同様のパレードで演説した後、「イラン・イスラム共和国は、最小の脅威に対しても痛烈に反撃する」と警告した。

 モハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はこの襲撃について、「外国政権によって徴募、訓練され、武器や資金を提供されたテロリスト」の犯行との見解を示した。

 ザリフ外相はツイッター(Twitter)に、「イランはこうした襲撃の責任を負うべきは中東のテロ支援者や、米国の黒幕たちだと考えている」と投稿した。

■「米国に追従する中東諸国政府の陰謀」

 アフワズが位置する西部フゼスタン (Khuzestan)州はイランと国境を接し、イスラム教スンニ派(Sunni)がほとんどの大規模なアラブ人コミュニティーがある。過去には分離独立派による暴動が起きており、イランは中東の対立国の仕業だと非難していた。

 ISは傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)を通じて、IS戦闘員がイラン南部アフワズでイラン軍の集まりを攻撃したとする犯行声明を発表した。

 イスラム過激派のウェブサイトを監視する米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によると、ISはイランの中東全域における紛争への関与に対する報復としてこの襲撃を行ったと主張しているという。

 イラン国営テレビは、29人が死亡、57人が負傷したと報じている。国営イラン通信(IRNA)によると、死者の中にはパレードを見物していた女性や子どもも複数含まれているという。

 イラン革命防衛隊は、武装集団に資金を提供したとしてサウジアラビアを非難した。イスラム教スンニ派が多数を占めるサウジは、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占めるイランの最大のライバルだ。

 イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師も、「米国に追従する中東諸国政府の陰謀だ。彼らの目的は、愛するわれらが祖国を不安に陥れることだ」と述べ、対立する親米諸国を非難した。(c)AFP/Amir Havasi

2018年9月23日 10:25
http://www.afpbb.com/articles/-/3190617