「函館山ロープウェイ」40分待ち、観光客戻る
2018年09月23日 21時08分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180923-OYT1T50107.html

 秋分の日の23日、北海道には各地から大勢の観光客が詰めかけた。最大震度7を観測した北海道地震の影響はなお残るが、例年並みに客足が戻った施設もあり、道内の観光業は復調の兆しを見せている。
 札幌市・大通公園では23日、食の祭典「さっぽろオータムフェスト2018」に多数の来場者が訪れた。地震と停電の影響で期間が8日間短縮されたが、実行委員会によると、この日の来場者は前週より1割程度多いという。
 同市で23日に開かれたアイドルグループのコンサートに訪れた大阪府摂津市の介護福祉士の女性(39)は「余震が不安で、ギリギリまで行くかどうか悩んだが、実際に来てみたら地震の影響は感じられなかった」と笑顔で語った。
 例年、この時期には1日約1万人が利用する「函館山ロープウェイ」。先週の3連休は利用客は例年の6割程度だったが、23日は午前中から次々と客が訪れ、函館の夜景を見下ろせる夜間は約40分待ちとなる盛況ぶりだった。地震直後はキャンセルが相次いだニセコ町のホテル「ニセコノーザンリゾート・アンヌプリ」でも、22日の宿泊客が例年並みの94%に戻った。
 6日未明の地震で閉鎖された新千歳空港は、7日に国内線が、8日に国際線が再開された。航空各社によると、再開直後の国内線搭乗率は6割前後だったが、22日からの3連休の予約率は8〜9割に達した。
 ただし、道内の観光業全体への風評被害は深刻なままで、道庁や関係機関では払拭ふっしょくに向け、情報発信を強化していく方針だ。