・中国でマリンパーク急増、イルカやシャチの闇取引が横行

[香港 20日 ロイター] - 屋内に設置された明るい水色のプールから、8頭のシロイルカが尾びれをひるがえし、大きな水しぶきをたてて、一斉にジャンプした。満員の観衆は大喜びで拍手し、写真を撮影している。

中国南部の海沿いの町、珠海にある珠海長隆海洋王国で行われているこうしたイルカショーが、いま中国全土に新設されているマリンパークで広がりつつあり、希少な海洋生物に対する需要が急増していると、科学者や実業家、活動家が指摘している。

シャチやシロイルカなどの海洋生物を巡っては不透明な取引が行われており、1頭あたり数億円単位で取引されることもあるという。また、違法に捕獲されていることが多い。

中国各地では、毎月のように新たなマリンパークや水族館がオープンしており、今後2年で36件以上の大規模施設の建設が予定されている。生きた動物を使ったショーが、幅広い反対によって取り止めになっている欧米の状況とは、対照的な動きだ。

「西側諸国ではマリンパークを成功裏に閉鎖させてきたが、中国は、『今度は自分たちの番だ』と言わんばかりだ」と、動物愛護団体ドルフィン・プロジェクトの創設者リック・オバリー氏は語る。


<違法捕獲>

中国鯨類保護連盟によると2014年以降、クジラやイルカ、ネズミイルカなどを含め、鯨類872頭が中国で捕獲されている。

現在のところ、こうした鯨類の取引を制限する地方政府の規制や国際的スタンダードはない、と海南省にあるリゾート施設アトランティス三亜で水族館施設の管理を担当するルシオ・コンティ氏は言う。

コンティ氏によると、絶滅が危ぶまれる野生動物の違法取引が拡大していることを背景に、アトランティスでは、動物福祉の基準策定を政府に働きかけているという。

「この島の漁師は、頼まれれば何でも手に入れてくる。ジンベエザメでも何でも、絶滅危惧種も、そうでないものも捕まえてくる。何も規制がないからだ」

(マリンパークの所在地とイルカの種類)
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/rngs/CHINA-MARINEPARKS-LJA/010080F70WV/CHINA-OCEANPARK.gif

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2018年9月26日 / 12:42 / 23分前更新 ロイター
https://jp.reuters.com/article/china-marineparks-idJPKCN1M6078