■日本に残る、最も古い学生寮「京大・吉田寮」

京都市左京区の大学構内にある、吉田寮。木造2階建て。105年の歴史を誇り、いま日本に残る、最も古い学生寮です。
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【吉田寮生・谷口さん】
「私が下段で寝てて同居人が上の段で寝ています。勉強はこの部屋ではしないので、だべったり着替えたり、パソコンで遊んだり。でも基本布団でゴロゴロしています」
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和歌山出身、看護学科に通う谷口さん。4年前、京都大学に入学し、吉田寮に入りました。
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■受け継がれてきた「自治会」の制度 運営は寮生が担ってきた

家賃は光熱費込みで、月およそ2500円。京大生であれば誰でも住むことができます。
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【吉田寮生・谷口さん】
「吉田寮に連れてこられて、なんじゃこりゃと。衝撃で、汚いとかいう次元じゃないじゃないですか。昔の学校みたいな。こっから先住める機会ないなと思って。こういう場所に」
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ノーベル賞の受賞者など、これまで多くの学者や文化人を輩出してきた吉田寮。 ここで長年、受け継がれてきたのが「自治会」という制度です。

寮に入りたい学生の選考を自分たちで行うなど、寮の運営は大学ではなく、寮生に委ねられてきました。
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しかし今、寮はある問題に揺れています。
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■「耐震性」を理由に全ての寮生に「退去通告」…期限は9月末

大学は去年12月、寮の耐震性を理由に、3年前にできたばかりの新しい棟を含め、すべての寮生に退去を求めたのです。退去の期限は、この9月末。

【京都大学 山極壽一 総長】(会見で)
「我々はとにかく9月末にこういう勧告を発しました。それに対して、吉田寮の自治会、あるいは、吉田寮の今、現在吉田寮に住んでいる学生たちが誠実に答えてくれることを願っています。そのうえで我々も誠実な答えに応じて我々も誠実に対応していきたい」
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今年7月、寮と大学の間で、最初の話し合いが行われました。

寮側は「話し合いで互いに納得できる形を探したい」と主張。一方、大学の担当者は「合意がなくてもやるべきことはやる」と応じ、大きな溝が生まれたのです。

■難航する大学と自治会の話し合い…戸惑う寮生たち

4年前から吉田寮で暮らす谷口さん。大学から出された退去通告に、納得できずにいます。

【吉田寮生・谷口さん】
「住んでいる人の実際の声と大学の希望を折り合いをつけてやっていくやり方に魅力を感じていたし、自分たちの声がこんなにもかなえてもらえることもすごいと思っていたので、京大にこれを続けていく余裕がなくなっちゃったんだと思うと悲しいですね。もったいない」

定年退職を前に、寮に住み始めた人もいます。

【吉田寮生・瀧本さん】
「最初は汚いと思ったけど、今となっては住めば都というか、出なきゃいけないのが非常に残念」

62歳の瀧本哲哉(たきもとてつや)さん。
40年近く千葉で銀行員として働いてきましたが、大学生の息子を見て『再び大学で学びたい』と一念発起。3年前に仕事をやめ、今では経済学部に通っています。

【吉田寮生・瀧本さん】
「本来、決める前にここに何日か泊まって、一緒に生活をしてみて、学生と突き合わせて話をしないとわからないんじゃないかなと思いますね」

【寮生】
「寮生が全員退去するように大学から言われていて…」

現状を知ってもらおうと見学ツアーを開く寮生。ゴミ拾いを続ける寮生。傷んだ壁を補修する寮生。寮を守ろうとする動きはさまざまです。

■手を尽くし「寮の存続」を訴えるが…打ち切られた交渉

一方、期限が近付くにつれて目立つようになったのが、「引っ越しを始める寮生」たち。行先は、大学が「代替宿舎」として用意した民間のアパートです。

【寮生】
 「どうすんの?」
【寮生】
 「私どうしようかね。とりあえず引っ越すけど」
【寮生】
 「10月1日に何言われるかで全然変わるから」
【寮生】
 「不法占用したくないなと思って。訴えられたくないから」
【寮生】
 「どこまでいくかだよね。全部止められんのかな、ライフライン。そうなったらさすがに住めないよ」

以下全文はソース先で

9/26(水) 15:05
関西テレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180926-00010000-kantele-l26&;p=1