10/1(月) 8:54配信
Web東奥

 2015年9月、青森県黒石市の六郷小学校給食調理室で爆発が起き、1人が死亡、7人が重軽傷を負った事故で、市側の不十分な安全対策により事故につながった−などとして、亡くなった女性の遺族が市に損害賠償を求める訴訟を青森地裁弘前支部に起こしたことが30日、原告側への取材で分かった。

 提訴は9月14日付。事故は15年9月18日午後3時すぎに発生。小バエなどの駆除を行おうとした業者の作業員男性が深さ約1.2メートルの床下に入り、くん煙式の殺虫剤を擦った際に爆発が起きた。県警の調べでは事故前に2度、床下の配水管から漏水して地下に水がたまり、LPガスの配管が腐食。そこからガスが漏れて充満し爆発につながった。事故では黒石市の臨時給食員木立清子さん=当時(55)=が亡くなった。

 原告側は訴状で「市側にはガス管の破損やガス漏れを察知するため、十分な体制を敷く注意義務があったのにこれを怠った」などと訴えており、慰謝料など約5700万円の損害賠償を市に求めている。

 県警は3月、作業の際の安全確認が不十分だったとして、害虫駆除に当たった業者の作業員を業務上過失致死傷容疑で青森地検弘前支部に書類送検。同地検は処分の検討を続けている。

 死亡した木立さんの夫・正樹さん(55)は東奥日報紙取材に「児童の食事中など調理室付近に人が集まるときに事故が起きていたら、もっと悲惨な結果になっていた。警察の捜査では庁舎管理者側の責任を問えず、根本的な事故原因と責任の追及に踏み込めていないと感じた」などと提訴の理由を語った。

 黒石市の小林清一郎総務部長は「訴状がまだ届いておらず、現時点ではコメントできない」と話した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181001-00000008-webtoo-l02