https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000022-mai-soci

最高気温がたびたび全国最高を記録するなど猛烈な暑さで知られる群馬県館林市で今夏ちょっとした“異変”がみられた。
地域気象観測システム(アメダス)が住宅街から高校のグラウンドに移設された6月以降、最高気温が1度も全国トップにならなかった。
館林ならぬ「ズル林」などとインターネット上で冷やかしもみられるが、地元の受け止めは−−。

旧観測所は館林消防署の敷地内のアスファルトの上にあり、周りは集合住宅や駐車場に囲まれている。
新観測所は消防署の移転予定に伴い、6月から西へ約2キロ離れた館林高校のグラウンドに設置された。
これ以降、新観測所が公式データとなったが、気象庁は社会的な関心の高さなどから、7月2日から旧観測所の最高気温もあわせて公表してきた。

館林市は昨年4〜10月は全国の最高気温を記録した日が計12日あったが、今年は新観測所になって以降ゼロ。
毎日新聞が8月31日までの2カ月分の新旧のデータを調べたところ、9割は新観測所の方が低く、平均して約0.5度の差があった。
旧観測所の方が1.2度高い日もあった。気象庁の担当者は「地域特性が異なり、それが気温に表れているのではないか」とみているが、
「いずれの観測所も気象庁で定めた設置基準を満たしておりデータの継続性への影響はない」との見解だ。

新観測所になってから最高気温が全国最高の日はまだないが、「日本一暑いまち」をPRしてきた館林商工会議所の藤江正希さん(35)は
「体感としては例年通りで、館林が暑いことに変わりはない」と全く気にしていない様子。それどころか、「(『ズル林』騒動で)ワイドショーなど
多くのメディアが観測所の移転を取り上げたおかげで館林に関心が集まった」と好意的に受け止める。7〜8月に開いた激辛料理などの
人気投票イベント「日本一HOTなまち 激辛・激甘・激冷グルメ総選挙」は、例年より客入りが好調だったという。

旧観測所のデータ公表は今月1日分で終了した。

◇最後の公表日「幻の1位」

台風一過の1日、各地は季節外れの真夏日となった。館林市の最高気温は33.8度で、栃木県佐野市の34.3度に次いで全国2位。
旧観測所は34.4度で「幻の1位」となった。


住宅街の中にある旧観測所=館林市美園町で、2018年7月3日
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20181002-00000022-mai-000-view.jpg