国立感染症研究所は10日、性感染症の梅毒の感染報告者数が、今年1月から9月30日までの累計で5081人になったと発表した。年間の感染者数は、昨年の5824人(暫定値)に続いて5000人を超えた。

 今年は、44年ぶりに5000人台を記録した昨年を上回る勢いで増えている。都道府県別では、東京1284人、大阪874人、愛知338人など、都市部で多くなっている。

 梅毒は性的接触を通じて感染する。3週間程度で感染した部分にしこりができるなどし、その後、手足など全身に発疹が出る。症状は治まったり再発したりを繰り返す。

 抗菌薬で治療できるが、放置すると脳や心臓などに異常が出る恐れがある。妊婦が感染した場合、胎盤を通しておなかの赤ちゃんに感染し、死亡することもある。

 予防するには、コンドームを使用し、粘膜や皮膚が直接接触するのを避ける。それでも完全に防げるわけではなく、感染が疑われる場合、早めに医療機関を受診する。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181010-OYT1T50056.html