欧米諸国と同様,わが国においても若年層を中心に大麻の乱用拡大が社会問題になっている。

大麻を摂取すると,気分高揚や多幸感などの中枢神経作用が発現する。大麻の中枢神経症状を示す主成分は,Δ9-tetrahydrocannabinol(THC)である。

このTHCは,脳内カンナビノイドCB1受容体に作用して中枢神経症状を示し,精神依存形成の原因物質として重要な大麻含有成分である

。大麻の精神依存形成においては,脳内カンナビノイド受容体を介した中脳辺縁ドーパミン神経の活性化が重要な役割を果たしていることが明らかになっている。

また,大麻の長期間の乱用と精神疾患発症の関連性も示唆されており,大麻乱用の危険性が明らかになっている。

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 依存性薬物研究室・室長 舩田正彦

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