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【人権】英国現代奴隷法、日本企業はどう対応するべきか〜

 今回法制化した英国内においては、英国内務省は、2013 年時点で約1 万 3000 人が
奴隷状態に置かれていると見積もっている。英国では、BBCなどのメディアも取り上げて
この現代の奴隷制について社会問題として認識している。

>英国には東欧諸国などから、良い仕事があると騙されて連れて来られ、奴隷労働を
させられている人が多数いるとされている。これらの人々は最初の話と違う職業に就かされ、
当該の東欧の国からの交通費や会社の寮費などに関して借金を背負わされ、パスポートなどの
身分証明書を取り上げられ、会社の寮にて脅迫されながら、ほぼ逃げられない状況で、
工場などで働かされている。
>これらの現代の奴隷労働者が取り扱った鶏肉は、英国全土の大手企業やスーパーマーケットに
卸されていたという。

>また英紙ガーディアンの調査*3では、2014年6月のタイの漁船での奴隷制が取り上げられ
報道されている。これは欧米の大手スーパーマーケットのサプライチェーン上で発生しており、
その奴隷労働が行われていた漁船が捕獲したエビが店頭で販売されていたことが発覚し消費者に衝撃を与えた。

>実は日本でも現代の奴隷制があると指摘されている。オーストラリアの国際人権NGO
ウォーク・フリー財団の2016年の報告書では、日本では29万人が現代の奴隷制下にあると見積もっている*4。
また、米国務省の2016年人身取引の実態をめぐる報告書*5では、日本は、強制労働、性的搾取の
人身取引の被害者の供給・通過国であるとされ、また「外国人技能実習制度」についても指摘されており、
この制度が特に現代の奴隷制度を助長するものとして国際社会から見られている。
東京オリンピック・パラリンピックを4年後の2020年に控え、建設準備等の労働力不足を、
東南アジアの国々からこの制度の活用により労働力を補う計画がなされており、これら労働者を適正な
形で雇用する制度となるのか国際的に注目されている。