埼玉県川口市の公立中学でいじめを受け、3度自殺をはかり車いす生活となった生徒の母親が取材に応じ、教育委員会への不信感をあらわにしました。

 「『無視された』と(手紙に)書いてあった。『助けてください』みたいな内容」(男子生徒の母親)

 「サッカー部内でいじめにあっている」。女性の長男はおととし、中学に入学したあと複数回、担任に手紙で訴えたものの、適切な対応がなかったといいます。そして9月、自宅で首をつります。

 「『SOSに気付かなかったのですか?』と校長に尋ねたら、『SOSですか』と。(手紙を)きちんと読んでいなかったのでは」(男子生徒の母親)

 さらに翌月、男子生徒は再び首をつって一時、意識不明に。一命はとりとめますが、2度の自殺未遂でも、川口市教育委員会の対応は不可解なものでした。いじめによる自殺などが疑われる場合、学校や市には「重大事態」として調査を始める法律上の義務があります。しかし、市は重大事態としていませんでした。そして去年4月、男子生徒はマンション3階から飛び降ります。

 「訴えても『そうですか』と流されていた」(男子生徒の母親)

 3度目の自殺未遂。男子生徒は頭蓋骨を折り、いま、車いすでの生活を送っています。加害者側数人からは謝罪を受け、和解しました。

 川口市は去年10月、ようやく重大事態として調査委員会を立ち上げましたが、男子生徒側への正式な説明はなく、母親は市に不信感を募らせています。
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