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去年8月、宿泊していた長崎市のホテルの部屋に放火して燃やそうとしたうえ、近くの路上で男性の首をナイフで切りつけたとして、放火未遂や殺人未遂の罪に問われているドイツ人の被告の裁判で、検察側は懲役12年を求刑しました。

ドイツ国籍のトビアス・グロス被告(25)は、去年8月、宿泊していた長崎市のホテルの部屋で、いすに掛けたシャツにライターで火を付けていすなどを損傷させたほか、ホテル近くの路上でバイクに乗って信号待ちをしていた58歳の男性の首をナイフで多数回にわたり切りつけたとして、放火未遂と殺人未遂の罪に問われています。

長崎地方裁判所で行われている裁判員裁判では、大量の酒を飲んでいた被告の当時の責任能力が争点になっています。

12日の裁判で検察は、「犯行時の性格はふだんの攻撃的な性格とよく似ていて、医師も大量の飲酒は、その性格を増強させただけにすぎないと鑑定している。被告には責任能力があった」として懲役12年を求刑しました。

一方、弁護側は、「大量の酒を飲んでいた被告の性格はふだんと異なり、犯行を思いとどまることができなかった。また、思いとどまる能力が著しく減少していた」として無罪、または、執行猶予付きの判決を求めました。

最後に被告は、「ひどいことをして許しを請うことはできないが、裁判所が適切な刑を与えてくれると信じています。本当に申し訳ありませんでした」と話しました。

判決は今月17日に言い渡されます。

10月12日 17時26分
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