ポール・ガードナー・アレン[2](Paul Gardner Allen, 1953年1月21日 - 2018年10月15日)は、アメリカ合衆国の実業家、マイクロソフト社共同創業者。
1983年に退社し、1990年に復帰するが、2000年に再び退社、取締役も退任。その後は資産運用や投資を業務とするバルカン社を経営した。

兵器遺産収集への関わり

アレンは第二次世界大戦時の兵器にも造詣が深く、中でも戦闘機を中心とする世界の軍用機を個人的に多数所有しており、その「私設航空機博物館」としてワシントン州スノホミッシュ郡ペインフィールド空港にてフライング・ヘリテージ・コレクションを運営している。

収蔵機は数多く、P-51 マスタング[21]やBf 109[22]などの米独英日ソの主要機を網羅し、かつレストアやリビルドを経て飛行可能状態ないしそれに準ずる状態にある高品質の機体で揃えている特徴があり、定期的に飛行パフォーマンスを同館で行っている。
中でも、旧日本陸軍航空部隊の一式戦闘機[23][24]は世界で唯一、機体・エンジン共にほぼオリジナルかつ飛行可能な状態に相当する貴重なものである。

大戦間、大戦中の軍用機に限らず、MiG-29 ファルクラム・M4 シャーマン中戦車・8.8 cm FlaK 37、さらには有人小型宇宙船のスペースシップワン・ホワイトナイトもコレクションしているなど、実質ポールが収集したコレクションを展示する場である。

戦艦「武蔵」探査

フィリピンレイテ島のシブヤン海で、太平洋戦争時に沈没した旧日本海軍の戦艦「武蔵」を発見したと、2015年3月3日、自身のTwitterアカウントで報告[25]、翌4日には新たに自身のホームページに「旧日本海軍の『武蔵』」というタイトルの動画を公開した。
なお「武蔵」は8年前から捜索を続けていたという[26][27]。

巡洋戦艦「フッド」探査

ポールは1941年にデンマーク海峡海戦で沈没したイギリスの巡洋戦艦「フッド」にも関心を持ち、イギリス当局の許可を得て2012年に最初の海底調査を行う。
その際、フッドの生存者が回収を望んでいたフッドの号鐘を回収しようとしたが、気象条件などにより、あと一歩のところで失敗に終わった。

2015年、ポールは再度調査を行い、8月7日についに号鐘の回収に成功した[28]。号鐘は一年かけて修復される予定である。

重巡洋艦「インディアナポリス」探査

2017年8月18日、ポールが率いる民間のチームが太平洋の水面下18000フィートの海底で、重巡洋艦インディアナポリスを発見した[29]。

空母「レキシントン (CV-2)」探査

2018年3月5日、オーストラリア東岸から約800 km、深さ約3200 mの海底でレキシントン (CV-2)の残骸を発見した[30][31]。
駆逐艦「島風」探査

2017年12月15日に島風と思われる残骸を発見している。