北陸新幹線と一体的な構造になる県道橋「新九頭竜橋」(仮称、四百十四メートル)の工事が十六日、始まった。新幹線用の九頭竜川橋は先行して工事が進み、今回はその両側部分に造られる。新幹線と道路の一体橋は全国初になり、二〇二三年春敦賀開業までの完成を予定している。

 新九頭竜橋は、福井市北東部の九頭竜川に架かる。同市開発町の国道416号を起点に北上し、坂井市に至る県道「福井森田丸岡線」の一部。県福井土木事務所によると、片側二車線で、幅は路肩と歩道を含め各十一メートルになる。

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 三月に工事契約を結び、出水期(六月十六日〜十月十五日)が終わるのを待って工事が始まった。最初は資材の搬入路や仮設の足場を整える。橋脚は一五年十月に始まった新幹線工事で完成しており、今回は橋桁を延ばす作業からスタートする。橋脚を起点とし、左右方向にコンクリートを打ち足していく「やじろべえ方式」を採用。上流側と下流側を同時に進行させる。

 まずは左岸側の半分で工事を進め、残りは来年十月中旬の着工を予定している。二一年春には、橋桁が両岸を結ぶ。ただ舗装工事などが残るため、同事務所の担当者は、完成について「現時点では開業までのできるだけ早い時期」と述べるにとどめる。

 鉄道橋と県道橋は当初、別々に造られる予定だった。〇六年、一体橋により工費が三十億円圧縮されて百三十億円になることから、現在の形に落ち着いた。県道橋が完成すると、国道8号などの渋滞緩和が見込まれる。

 県新幹線建設推進課によると、金沢−敦賀間で、県内の用地取得率は十月一日現在、今後取得が確実な分を含め99・6%、着工率は100%となっている。

 (山本洋児)
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