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国際法学者の大沼保昭さん死去
2018年10月18日 21時23分おくやみ

日本の戦争責任や平和主義などを積極的に論じた国際法学者で東京大学名誉教授の大沼保昭さんが、16日に腎うがんのため都内の病院で亡くなりました。72歳でした。

大沼さんは昭和21年に山形県で生まれ、東京大学法学部を卒業したあと助手や助教授をへて昭和59年に東京大学の教授となり、長年、国際法の研究に取り組んできました。

特に、日本の戦争責任や戦後の補償などをめぐって積極的に問題提起を続けてきたほか、在日韓国人や在日朝鮮人の社会的地位の向上や慰安婦問題の解決に向けた運動にも携わってきました。

また、平和主義や国際協調の重要性を訴え、現在の憲法を戦後の日本の発展や平和を支えたものとして高く評価したうえで、その精神を引き継ぐには時代や国際社会の現実にあわせた改正が必要だとする「護憲的改憲論」を唱えました。

家族によりますと、大沼さんは5年ほど前からがんを患っていましたが、戦後70年となった3年前には国際法や歴史学などの研究者74人で共同声明を出すなど、最近まで治療を受けながら論文の執筆や講演などを行っていたということです。

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