文部科学省が25日発表した平成29年度の全国小中高校と特別支援学校の暴力・いじめに関する調査結果で、京都府内(京都市立校を含む)では、2万4824件のいじめが報告されていたことがわかった。児童・生徒千人あたりでは全都道府県で2番目に多かった。25年度から続いていたワースト1から脱した形だが、府教育委員会は「これまでの数字はどんな小さないじめも見逃さずに報告してもらった結果と受け止めている。順位に関係なく、これからも丁寧に見守る」と説明している。

 調査結果は府教委と京都市教委が集計。29年度の府内のいじめ認知件数2万4824件は前年度より1951件減少した。また児童・生徒千人あたりは90・7件で、前年度の96・8件から大幅に減少した

 このうち大半を占める小学校も2万1009件と前年度に比べ1494件減少。また中学校、高校、特別支援学校いずれも前年から減っている。いじめ発見のきっかけは、「アンケートなど学校の取り組み」と答えたのが小学校で7割後半、中学校で5割以上に達した。

 いじめの形態はすべての校種で「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、いやなことを言われる」が最も多かった。あとは小中学校では仲間はずれ、集団無視などが多く、高校では金品を隠され、盗まれたりする行為が目立った。

 一方でいじめられた児童・生徒の相談先として担任を挙げる例が多かった半面、「誰にも相談していない」も5〜10%あり、府教委では「相談しやすい環境づくりをより進めていく必要がある」とした。

 また暴力行為の発生件数は2161件(前年度2096件)で、千人あたり8・0件は全国ワースト5位だった。このうち小学校が946件(同859件)と増加した。内訳は、生徒間が1415人と前年度と比べ18件減り、器物損壊と教師への暴力はそれぞれ増えた。

 不登校数は小中学校で計2697人、高校で866人。要因としては小学校では「学校での人間関係への課題」、中学校では「不安の傾向」「無気力の傾向」が多かった。

10/26(金) 9:14
産経新聞
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