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共和党支える福音派=8割支持も「反トランプ」の動き−米中間選
2018年10月28日 15:19 
発信地:イスラエル [ 例外 その他 ]
【10月28日 時事通信社】11月6日投開票の米中間選挙で、苦戦する与党の共和党を支えるのがキリスト教福音派だ。人工中絶反対など保守的な価値観や親イスラエルで知られ、トランプ大統領による在イスラエル米大使館のエルサレム移転は、福音派への配慮とされた。だがトランプ氏の強硬な不法移民政策などに反発し、「議会の共和党優勢を覆そう」と訴える福音派グループも現れた。

 ◇人格よりも保守的政策重視

 「投票に行こう。この中間選挙は(米国の)転換点になる」。南部テキサス州ヒューストンにある福音派のメガチャーチ(巨大教会)で21日行われた日曜礼拝で、エド・ヤング牧師(82)がこう訴えると、約5000席の会場を埋めた信者から一斉に拍手が響き渡った。

 福音派とは、聖書の記述を文字通り信じる熱心なプロテスタント信者だ。米国の全人口の約25%を占め、白人福音派の8割が2016年の大統領選でトランプ氏に投票した。モラルを重視する人々が、不倫疑惑の続出するトランプ氏を支持した理由は、人工中絶や同性婚などに消極的な立場を取る保守派の連邦最高裁判事指名を期待してのことだったとされる。

 トランプ氏は実際、ブレット・カバノー氏ら2人の保守派判事を指名して期待に応えた。礼拝に参加した男性弁護士(62)は「(キリスト教徒にとって)すべての人は罪人であり、完璧な人も完璧な大統領もいない」とトランプ氏の人格などは意に介さない。

 地元ライス大のマーク・ジョーンズ教授によると、政治色を強める福音派教会が、信者に投票を呼び掛けることで共和党候補への投票率向上に一役買っている。ヤング牧師は22日にヒューストンで行われたトランプ氏出席の選挙集会で「神の下で共和国であり続けるのか、それとも神のいない社会主義に向かうのか」と、暗に民主党への懸念をあおり、民主党候補の猛追を受ける共和党クルーズ上院議員を側面支援した。

 ◇草の根でトランプ氏批判

 一方で、福音派の中からも、メキシコ国境での不法移民親子の分断につながったトランプ政権の移民政策などをキリスト教の理念に反すると批判する草の根の声も上がり始めた。

 「(トランプ氏によって)道徳の羅針盤は壊れてしまった。民主主義は危機にひんしている」。21日夕方、ヒューストンの閑静な住宅街にある教会で始まったトランプ氏に批判的な福音派の野外集会では、ゴスペルやキーボードの弾き語りを間にはさみ、福音派の牧師や民主党系の候補らが次々に、トランプ政治への危機感を訴えていた。(c)時事通信社