https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-26/PH7SVD6S972C01?srnd=cojp-v2

トレンド追随コンピューター主導型ヘッジファンド、市場混乱で「惨敗」

Suzy Waite、Nishant Kumar
2018年10月27日 4:02 JST
→ブルートレンドやキャンタブ、月初から19日まで4−9%の下落
→資産価格の急速な反転読めず、金利上昇と株価下落でダブルパンチ

ボラティリティーの急騰で、相場の大きな流れに追随するコンピューター主導型のモデルを活用するヘッジファンドが大きな打撃を受けている。

  数理モデルが明確または顕著なトレンドを示す世界金融危機などの市場の急落場面では、商品投資顧問(CTA)として知られるファンドは、これまで投資家を守ってくれることが多かった。だが、今回は資産価格の急速な反転を読むことができず、レダ・ブラガ氏のブルートレンド・ヘッジファンド、GAMホールディングのキャンタブ部門、マン・グループのAHL部門は10月にいずれも大きな損失を被っている。


  88億フラン(約9850億円)を運用するミラボー・アセット・マネジメントのヘッジファンド責任者、バカール・ズベリ氏は「極めて少数の例外を除き、ほぼ全ての戦略が惨敗だ」と指摘し、「CTAは金利上昇と株価下落のダブルパンチを受けている」と話す。「唯一の出口は撤退で、今や全員がそうしようとしている。CTAのモデルがそうするよう指示しているからだ」と述べた。

  企業業績の減速やイタリアの政治混乱、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱の中で、コンピューター主導型のヘッジファンドは1−9月の成績がマイナス1.6%と、通年で設立以来最悪を記録するペースだった。

  ユーリカヘッジは10月の成績を公表していないが、事情に詳しい関係者が確認したところでは、ブルートレンド・ヘッジファンド、キャンタブ・キャピタル・パートナーズ・クオンティタティブ・ファンド・アリスタルコス、AHLダイバーシファイド・ファンドは月初から19日までの下げ幅が4%弱−9%強に達し、年初来の下げが2桁に上った。

  各社ともコメントを控えた。