29日に発生したジャカルタ発のライオン航空機(ボーイング737マックス8型)墜落事故で、この前日にこの航空機の計器に問題があったことが、BBCが入手した記録から明らかになった。

同機は28日にバリ島からジャカルタへ飛行したが、その時の記録によると、計器が「信頼できず」、機長が副操縦士と交代する事態になっていた。

バンカ島パンカルピナン行きのJT610便には乗員乗客189人が乗っていたが、離陸直後に海に墜落した。生存者は確認されていない。

救助隊はすでに遺体や遺品を回収しており、中には乳児用の靴もあった。乗員乗客の家族は、遺体確認のために病院へ向かうよう指示されている。

ライオン航空はインドネシア最大の格安航空会社。BBCの取材に対し、ライオン航空は回答していない。

今回の事故は、ボーイング737マックスが関わった初めての大規模な事故となった。

計器の問題とは? BBCが入手した前日の運航記録によると、機長が確認していた対気速度計の数値が信頼できなかったほか、機長と副操縦士の高度計の数値が異なっていた。このため機長は、操縦を副操縦士にゆだねる羽目になった。

乗務員は飛行を続ける判断を下し、飛行機は無事にジャカルタに到着した。

ライオン航空グループのエドワード・シライト最高経営責任者(CEO)は、同機はバリ島のデンパサールからジャカルタへ向かう間に未特定の「技術的な問題」があったと認めた一方、問題は「解決していた」と話していた。

「もし機体が壊れていたら、デンパサールからの離陸が認められていなかったはずだ」
「乗務員からの報告を受けて、直ちに問題を解決した」

ライオン航空はボーイング737マックス8型を11機保有しているが、他の機体には同様の問題が起きていない。このため、運用を停止する予定はないとシライトCEOは付け加えた。

JT610便に何が起きた? JT610便は29日午前6時20分(日本時間同8時20分)にジャカルタのスカルノ・ハッタ空港を出発した。
同便はバンカ島パンカルピナンのデパティ・アミル空港へ向かう予定だったが、離陸から13分後に連絡が途絶えた。
当局によると、操縦士にはジャカルタの空港へ戻るよう指示が出されていたという。

インドネシア国家防災庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官は、海上から回収された、墜落機の破片や乗客の荷物とみられる写真をツイートした。
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https://pbs.twimg.com/media/DqpREs_U0AAXDzx.jpg
https://twitter.com/Sutopo_PN/status/1056746231777550337

乗員乗客について分かっていることは? ライオン航空によると、機長と副機長は経験豊富で、2人合わせて1万1000時間以上の飛行経験があった。
乗務員のうち3人は訓練中の客室係員で、1人は技師だった。
インドネシア財務省から少なくとも職員20人が搭乗していたことが、BBCの取材で分かった。

ボーイング737マックス8型ボーイングの737マックス・シリーズは7から10まで4種類があり、マックス8型はボーイング史上最も売れている機種だ。
ボーイング737マックス8型は2016年に商用運用が始まったばかり。
今回事故を起こした機体は2018年製造で、短距離便向けのシングルアイル機(通路が1本の航空機)だった。

ボーイングは声明で被害者や遺族に追悼の意を示し、「事故捜査のため技術支援を提供する用意がある」と述べた。

一方でオーストラリアは政府職員などに対し、調査報告が発表されるまでライオン航空を使わないよう指示を出した。

1999年創業のライオン航空は、国内だけでなく東南アジアやオーストラリア、中東などとの間を結ぶ国際線も運航しているが、過去に安全や運営で問題を指摘され、2016年まで欧州空域への飛行を禁止された。

2013年にはバリ島の国際空港に着陸する際、滑走路で停止できず海中に落下。乗っていた108人は全員無事だった。2004年にはジャカルタ発の便がソロシティ着陸の際に地面に激突し、25人が死亡した。

2011年と2012年には、操縦士が覚せい剤を所有しているのが相次ぎ見つかった

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181030-46027442-bbc-int
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