阿弥陀堂前で悠々と草をはむナンシー(右)とルーシー=京都市下京区・東本願寺
https://www.kyoto-np.co.jp/picture/2018/10/20181031154914yagi450.jpg

 京都市下京区の東本願寺(真宗大谷派本山)はこのほど、除草用にヤギ2頭を飼い始めた。2頭は同寺の特別要務員に「任命」され、境内南部の宿泊研修施設「同朋会館」近くで雑草を食べている。御影堂、阿弥陀堂という巨大な堂宇の前で悠々とヤギが草をはむ姿が、参拝者を和ませている。

 いずれも1歳未満の雌でナンシーとルーシー。奈良県内の業者から借り受けた。境内南東部には雑草が多く生える更地があり、これまでは、寺の清掃などを担う門信徒の有志団体「真宗本廟(びょう)奉仕団」参加者らが雑草を刈っていた。

 2頭は今月10日、会館から「真宗本廟奉仕特別要務員」として辞令を受け、晴天の日は午前9時から午後4時ごろまで境内の「除草奉仕」にいそしむ。2頭のために、会館近くにはベニヤ板とトタン製の小屋も設けられており、雨天の時はその中でのんびりと過ごす。会館宿泊者にも人気で、記念写真に収まることもある。

 職員によると、茶色の毛の多いナンシーは細かいことを気にしない性格で、灰色がかったルーシーはやんちゃで時々小さな声で鳴く。2頭とも約5メートルのリードで動ける範囲の雑草を旺盛に食べ、イチョウやサクラの落ち葉もパリパリと音を立ててかみ砕いている。同寺は「参拝の後にヤギを眺めて心を和ませてほしい」と話している。

京都新聞 2018年10月31日 17時30分
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181031000100