故遠藤周作さん命名の「湖里庵」 暴風の打撃から再起へ

 琵琶湖岸に位置し、石積の水辺景観で国の重要文化的景観に選定されている滋賀県高島市マキノ町海津地区。
風光明媚な集落は2カ月前の台風21号の強風で、電柱が150メートルにわたって倒れるなど大きな打撃を受けた。

 作家の故遠藤周作さんが名付けたことで知られる料亭「湖里庵(こりあん)」は、木造2階建ての屋根と壁が吹き飛んだ。
全壊と認定され、10月下旬に残った建物を取り壊した。
店主の左嵜謙祐さん(42)によると、被災時は停電して電話も不通になったが、
フェイスブックに被害状況をアップすると知人たちが支援に駆けつけ、
遠藤さんがしたためた「湖里庵」の軸も運び出すことができたという。

 左嵜さんは七代目。ふなずしで知られる1784年創業の「魚治」が経営する料亭の火を消すわけにはいかないといい、
「来年9月4日までの再開が目標。自然の猛威を受け流せる建物にしたい」と話す。

https://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20181104000029
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取り壊された「湖里庵」の敷地に立つ左嵜さん(高島市マキノ町海津)