政治・社会2018.11.05
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警察庁による子供の性被害予防広報ポスター

 愛知県警が10月15日より、Twitter上で児童買春につながる怖れのあるツイートに「こちらは愛知県警察少年課です」と呼びかける取り組みを続けている。

 愛知県警が委託するボランティア組織がTwitter内のパトロールを担当し、報告を受けた愛知県警少年課は、当該ツイートに「こちらは愛知県警察少年課です」から始まる警告メッセージをリプライとして送る。

 警告メッセージには2種類ある。

 18歳未満と思われる児童による、被害につながる怖れのあるツイートには、「こちらは愛知県警察少年課です。このツイートは児童買春などの被害に つながるおそれがあります。 また、見ず知らずの相手と会うことは、誘拐や殺人などの重大な事件に巻き込まれるおそれのある大変危険な行為です」。

 一方、児童買春の加害につながる可能性があると判断されたツイートには、「こちらは愛知県警察少年課です。このツイートは児童買春などの犯罪につながるおそれがあります。18歳未満の児童への性的な接触は、仮に同意があったとしても児童の人権を侵害する行為として処罰の対象となる可能性があります」。

 どちらの場合も、「絶対に許すな 子供への性犯罪」「児童買春や児童ポルノの製造等の子供への性犯罪は、子供の人権を著しく侵害する極めて悪質な行為です」と書かれた啓発ポスターの画像を添付。

 結果的に、「愛知県警少年課」に警告メッセージを貰ったアカウントの多くは凍結されている。

■「パパ活」求める女子も一様ではないことに留意

 Twitterには、出会いを求めるアカウントによる書き込みが無数にある。出会い系サイトへ誘導するサクラも多いが、個人間でのやりとりを求める女性・女子児童と、男性も多い。
鍵アカウントにしては「出会い」が制限されるため、彼らは一切はばかることなく、「#パパ活」等のハッシュタグをつけて売買春の取引を求めている。

 そんなTwitterを舞台に、半月ほど前に始まったばかりの愛知県警の取り組み。
「パパ活」「援交」という俗語の影響か、売る側(児童/被害者)も買う側(大人/加害者)も「児童買春は犯罪行為である」との認識が薄い可能性があり、「お互い合意している」「win-winの関係」と捉えてしまっているケースがあるだろう。啓発のためには、こういった地道な取り組みも有効かもしれない。
 とりわけ児童側は、違法行為だと「知らない」ことも考えられる。その一方で、組織的に行っているケース、犯罪と認識した上で身分を偽って行っているようなケースには、別途対策が必要であろう。
警察機関による警告メッセージのみで児童買春はなくならないだろうが、それでも「これは違法行為だ」と広く認識されていくことがまず重要だ。

 ただ、「援助交際」「パパ活」を求める児童たちには、退屈しのぎや遊び、バイト代わりという子もいれば、経済的な困窮や人間関係の問題を抱えた子、家庭や学校に居場所がなく緊急避難先を探す子などもいる。「こういう子がやっている」と一概に括れないのが現実だろう。
「パパ活は犯罪につながるからダメ」だとしたら、ではどこで、誰に助けを求めればいいのかわからないという子もいるかもしれない。そうした児童の目にとまるよう、「パパ」ではない相談先や避難場所などセーフティーネットの存在も、あわせて周知できると尚良いのではないだろうか。
 もちろん児童買春は、大人が買わなければ成立しない。大人への注意喚起や警告は必須だ。未成年と大人との間に、金銭を介した正当な性的関係は為し得ないと理解してほしい。