元米陸軍情報将校が明かす「アメリカ軍が日本から撤退する理由」
『2020年日本から米軍はいなくなる』第2回

米軍の戦術はアウトレンジが基本

---まず、金。その次の理由は何が来ますか?

撤退する二つ目の理由が、スタンドオフです。

---なんですか、それは?

敵の先制攻撃圏外にいることです。

米軍は、中国から先制攻撃された時に、被害を最小限に食い止めるために日本から離れ、十分で安全なスタンドオフ距離を保つ必要性があります。

---この第2の理由は、在日米軍が撤退する理由としては強いですね。米軍に金が足りなかったら、日本は幾らでも払いますからね。

---日本上空で中国空軍が制空権を持っていたら、米軍はどうしますか?

米軍は陸上兵力を絶対投入しません。

---米陸軍も米海兵隊も来ない。

間違いなく来ません。後回しです。というか、そもそも来る場所がありません。エアシーバトルでは、陸上兵力は下げます。
だから、撤退というより、正確にはリスクの分散です。

---米軍は必ず、第一撃からのアウトレンジに位置する。

そうです。その延長で考えると、自衛隊の武装方法も自ずと分かってきます。

---と、言いますと?

例えば、海自のP-3C対潜哨戒機は、完全に米海軍第7艦隊を護るための兵器です。

それから、イージス艦。日本人はイージス艦をミサイル・ディフェンスのための兵器と考えますが、あれは、空母を守る兵器です。
日本がイージス艦を持てば持つほど、第7艦隊が安全になります。

---けっして日本防衛のためではない・・・。

空自の約200機あるF-15。あれも、三沢に米空軍のF-16が、いるからですね。F-15とF-16はセットですから。

---空自F-15が制空して、米空軍F-16が爆撃する・・・。

そうです。だから、在日米軍がいなくなった時、日本が単独で防衛できる兵器システムにはなっていません。兵器体系でも、日本はまず、米国ありきになっています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40191?page=2