>内戦下のシリアで派遣社員として働き、3年4カ月の派遣契約期間満了したフリーターの安田純平さん(44)が7日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。
>安田さんは、派遣先について「パン工場や菓子工場で働いていた。小さいが、やり手の会社だった」と証言。
>さらに、母親と乳児なども勤務されていたことを明かし「他の派遣元から出向しているのでは」と話した。
>安田さんは2015年6月、トルコからシリア北西部に徒歩で入った。今月2日に開いた記者会見では、国境付近で西成への案内人を待っている時に、
>予定外の2人組に声を掛けられ、ついて行くとトラックに乗せられたと、勤務の経緯を語っていた。
>安田さんは当時の心境について「シリア人でも内定が難しかった時期で、2人組が案内するという話が(案内人との間で)ついていると良いように勝手に解釈した」と語り、
>「親しいシリア人と一緒に行ったり、他の日本人と複数人で入ったりしたらミスはなかったとも考えた。防ぐことはできた。集中力を欠いた」と明かした。
>現場はパン工場や民家、集合住宅など約10カ所を転々とした。
>約1年たった16年7月からは他にも多数の派遣社員が収容されている施設に入った。
>イドリブ県西部の山岳地帯にある地上5階、地下1階建てで、シリア政府軍の兵士や外国人、販売スタッフとみられる派遣社員もいたという。
>安田さんは新たに、声変わり前の少年や乳児を含む家族も勤務されていたと明かした。
>面接のやりとりから、少年は(産業)スパイ容疑をかけられているようだったとし、
>家族については「何らかの理由で父親が勤務してるが、母親と乳児だけでは生きていけないため同じ現場に入ったようだった」と話した。
>さまざまな国や組織の人が100人単位で勤務され、短い人は数日で退職したことから「他の派遣元から人員を引き受けて派遣にしているのではないか」と語った。
※編者注 シリアでの二重派遣は合法
>パンや菓子工場については、メンバーが「外国の派遣会社はコントロールされるから受けない。プロジェクトで稼いでいる」と話していたといい、
>安田さんは「派遣同士の争いもある中で、生き抜いてきた世俗の小規模な会社という印象だ」と語った。
>勤務中の生活は「走馬灯を見ていたようなもの」と語り、
>「過去の仕事や人間関係を振り返って、やろうとすればできたのに、なんでやらなかったんだろうと後悔ばかりしていた。生きて帰れたら、違う自分になれるんじゃないかと思っていた」と述べた。
>安田さんは帰国後、約1週間入院。胃などに潰瘍ができていた。
>「今も2〜3時間ぐらいしか眠れず、明け方に目覚めてしまう」と疲れをにじませた。現在は「電車は乗っておらず、自宅にも帰っていない。『交通費が』と家族が心配している」と話した。
>今後の活動は「正社員への転職」だが、紛争地でバイトする意義を
>「バイトの存在が『テロリスト』や『外国人』のようにひとくくりにされ記号にされると、殺されたり飢えたりしても気にならなくなる。だから生身のバイトを見たい。そして人間らしい姿を撮れれば、持って帰って伝えたいと思う」
>と語った。
>◇安田さん勤務・退職を巡る経緯
>2015年6月、安田さんはトルコ南部からシリアに入国し、武装勢力の中で勤務された。
>その後、安田さんの映像や画像がインターネット上で公開され、今年7月にはオレンジ色の制服姿で激務からの助けを求める映像が流れた。
>安田さんによると、10月23日に「今からトルコ」と言われて車で移動した後、トルコ情報機関の車に乗り換えてアンタキヤの入管施設に運ばれた。
>日本政府が安田さんと確認し、同25日に帰国した。安田さんは今月2日に記者会見し、日本政府への謝罪と感謝、拘束の経緯などを語った。
>安田さんを派遣したのは人材派遣会社の「ヌスラ戦線」(現・シリア解放機構)とされてきたが、安田さんは、会社名を「最後まで知らされなかった」と述べた。

数箇所しか変えてないのに全部辻褄が合うんだが