6日投開票の米中間選挙では、民主党候補のラシダ・タリーブ氏(42)が、パレスチナ系としてもイスラム教徒の女性としても史上初めて下院議員に当選した。タリーブ氏の故郷で、現在も親族が暮らすヨルダン川西岸の村では8日、「とてもうれしい。イスラム教徒やパレスチナの誇りだ」と歓喜の声が聞かれた。

タリーブ氏の母親はかつて、パレスチナ自治区ラマラ郊外のベイトオルアルフーカで暮らしていたが、1970年代半ば、東エルサレム出身の夫と共に米国に移住。タリーブ氏は米中西部ミシガン州を拠点に社会的弱者の保護を主張し「富裕層を優遇するトランプ政権と戦う」と訴えてきた。当選はイスラエルの占領下で暮らす人々にとって「一筋の希望」となった。

ベイトオルアルフーカはイスラエルとの境界沿いに位置する。住民はイスラエル軍による厳しい警備で道を自由に歩けないなど日常生活で困難に直面。米国で暮らすタリーブ氏やその家族はこれまでに何度も帰郷しており、その苦境を熟知している。

8日、ヨルダン川西岸ベイトオルアルフーカの自宅の庭で取材に応じるバッサム・タリーブさん

ベイトオルアルフーカで暮らすタリーブ氏のおじ、バッサムさん(52)は、トランプ米大統領がイスラエル寄りなのは「米国の人々がパレスチナに悪いイメージを持っていて、イスラエルを支持するからだ」と指摘。「ラシダには今後、下院議員としてパレスチナの困難な状況を米国の人々にしっかり伝えていってほしい。それが変化の始まりになる」と期待を語った。

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