ホームから出ると、そこはもう海水浴場の砂浜という駅もあります。徳島県美波町にあるJR牟岐線の田井ノ浜駅。
田井の浜海水浴場の目の前が駅です。

この駅は海水浴シーズンだけ営業する臨時駅。毎年7月中旬から8月初旬にかけての約1か月間、上下各4本の列車が停車します。
室戸阿南海岸国定公園の一部である田井の浜は小さな入り江になっており、遠浅で波が穏やかなので、家族連れでにぎわいます。
列車を使い、日帰りで気軽に海水浴を楽しめる場所でもあるのです。

もっと「海に近い」駅は!?

より「海に近い」駅としては、長崎県島原市にある島原鉄道の大三東(おおみさき)駅が挙げられるでしょう。
この駅はホームのすぐ下から干潟が広がっています。構内には上下線それぞれに小さな待合室と、ホームの駅名標やなどがある程度。
駅の外からも、ホーム越しに海が広がる光景を見ることも。

有明海は干満の差が日本一大きい海です。
潮が引いているときは、ホームからずっと遠くの沖合まで干潟が広がっていますが、潮が満ちると、海水がホームのすぐ下まで押し寄せてきます。
柵などは設けられておらず、ホーム端の溝を越えればすぐに護岸、その下は海となっています。
潮の干満で違いがあるとはいえ、これほど「海に近い」駅はなかなかないでしょう。

ここまで挙げた駅は、発着本数もあまり多くない都市部から離れた駅ばかりですが、じつは人口300万人を超える大都会の横浜市にも、極めて海に近い駅が存在します。

それはJR鶴見線の海芝浦駅(鶴見区)。京浜東北線鶴見駅で鶴見線に乗り換え6駅、11分ほどで到着する終着駅です。
ホームのすぐ下には京浜運河が広がり、対岸には工場群、そして首都高湾岸線に架かる鶴見つばさ橋などの眺めが楽しめます。

じつはこの駅、企業の所有地内にあります。事業所に出入りする人のための駅で、関係者以外は駅から出ることができません。
それでも、海に面した駅の見事な景色を求めて訪れる人が後を絶たず、
企業は駅に直結する形で「海芝公園」を造りました。ここだけは、一般客も出入りが可能となっています。

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海芝浦駅。ホームのすぐ下は海(画像:photolibrary)。

ホームから海、つまり水面に最も近いという意味では、海芝浦駅が「日本一海に近い」といえるかもしれませんが、上のように特殊な環境にあります。
同じようにホームのすぐ下に水面がくることもある大三東駅も、満潮時という条件付き。「日本一海に近い駅」は、一概には決められないかもしれません。


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