土日は政治スレOK

 ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」にジャーナリストの須田慎一郎が出演。関東では報じられない関西生コン事件について解説した。

関西生コン事件とは

この夏、滋賀県内の倉庫建設工事をめぐる恐喝未遂事件で、関西の生コン業界のドンが逮捕されたが、これに凍り付いたのが野党議員たち。
実はこのドンがさまざまな議員たちを支援していたということで、あまり報じられていなかった理由も含め、須田慎一郎が解説する。

飯田)先週リスナーの方からメールが来ました。「関西生コンについて関東ではぜんぜん話題になっていません。解説をお願いします」と。
エンディングで予告した後に心配するTwitterも来ていて、きょうも「これを特集して番組が何もなければいいけど」とあります。

須田)この話題、関東でメガメディアはまったく報じていません。関西でもほとんど報じられていません。
フジテレビ系列の関西テレビは腹が据わっていて、しっかり報道しました。NHKはサラッと流し、他のメディアにいたってはまったく触れていません。


本来なら暴力団を取り締まる組対課が動く

須田)これはけっこう大きな問題です。そもそも8月28日に滋賀県警の普通なら暴力団を取り締まる組織犯罪対策課がこの事件を取り扱ったのが大きなポイントです。
滋賀県下で倉庫工事をやっていて、そこに生コンクリートを納入していた商社に「ウチから買え!」と圧力をかけたということで威力業務妨害で逮捕されたのです。
しかし、これだけでなく、その後は大阪府警警備部(公安)が逮捕に至った。これ以外にも、京都府警も家宅捜査などの強制捜査に乗り出していて、奈良県警も同様です。近畿2府4県内の、兵庫と和歌山を除く4府県がすでに動いているのです。
問題となった組織の正式名称は「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」です。
2つポイントがあって、1つは「労働者の産業別組合」です。もう1つは、これ以外に「協同組合」を組織していること。
生コン業者というのは中小業者で、コンクリートメーカーからコンクリを買い、それを生コンクリートにして水を加え、攪拌して、砂を加えて使える状態にする。そしてミキサー車に乗せて、各工事現場へ運んで行く。
それを作っている中小業者の組合を組織して、統括していたのが今回逮捕された、生コン業界のドンと呼ばれる武建一被告です。


労働争議は刑法と民法が適用されないためこれまで逮捕できなかった

須田)組合員は労働争議を起こすのです。そこへ行って団体交渉を要求して、出て行こうとしているコンクリートミキサー車を実力で止める。
これは意外に知られていないのですが、生コンの寿命は90分で、すごく短いのです。
だから、現場近くに作る工場がないと間に合わず中小業者が多い。それを妨害されると会社としては困ってしまうのです。

飯田)ミキサー車がグルグル回っている内部で固まってしまうのですね。

須田)だから、何らかの解決金を払い、争議を解決するのです。これは現在の日本の法律がおかしいのですが、労働争議となると刑法と民法が及ばないのですよ。
そこで仮に暴力事件があったとしても、「組合活動だから」という大義名分で、刑事事件としてほとんど立件されない。
今回逮捕に漕ぎ着けた最大の理由は、「組合員がいないから」です。大阪では特に典型例で、「組合員がいないにも関わらず搬出妨害していた」ということで逮捕になりました。

飯田)組合員のいない会社に行ったのですか?

須田)行って、「ウチから生コンを買え!」とね。

飯田)そうなると、争議以前の問題になるわけですね。

須田)あるいは「協同組合に入れ!」とかね。協同組合に入ると、生コンを業者が売るたびに1立方メートルにつき、数百円の上納金を払わなければいけないのです。
だから、言ってみれば労働組合とは名乗っていますが、実態上は暴力団組織と変わりません。だから組対課が動いたのですよ。

>>2へ続く
https://news.nifty.com/article/item/neta/12245-118408/