アメリカのトランプ政権の高官は貿易問題で対立を深める中国について、南シナ海やサイバー攻撃の問題でも約束を守らなかったと非難し、中国と貿易面で合意を結ぶことは容易ではないという認識を示しました。

トランプ政権で対中国強硬派として知られる通商政策担当のナバロ大統領補佐官は9日、ワシントン市内で講演しました。

この中でナバロ補佐官は、中国政府がオバマ前政権との間で南シナ海を軍事化しないことや、サイバー攻撃で企業の秘密などを盗まないことを約束しながら、ことごとく破ってきたと非難しました。

そのうえで、貿易問題で対立を深める中国との交渉について「最大の問題は信用だ。日本やヨーロッパとの交渉とは違う」と述べ、中国と貿易面で合意を結ぶのは容易でないという認識を示しました。

さらにナバロ補佐官は、今月下旬にアルゼンチンで開かれる主要20か国首脳会議=G20サミットで米中首脳会談を開く方向で調整が進められているとしたうえで、ゴールドマンサックスやウォールストリートの関係者が中国政府と協議し、貿易摩擦の解消に向けた合意を結ぶようトランプ大統領に圧力をかけてきている、と主張しました。

そして「中国のために働くアメリカの億万長者たちの協力は必要ない。トランプ政権の交渉能力を弱めるだけだ」と述べ、名指しはしなかったものの中国と合意を結ぶよう求める勢力を批判しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181110/k10011705611000.html