※夜の政治

 来春に行われる統一地方選に向けた各党の動きが、大阪府内でも活発化してきた。府議会(定数88)、大阪市議会(同86)で第1党を占める大阪維新の会は、府議会での過半数獲得を狙う。対する自民党は、前回選挙で惨敗した1人区での挽回を図る。公明党は現有勢力の着実な維持を方針とし、共産党は可能な限りの擁立を進める。民進党が分裂して初めての統一地方選となる立憲民主党と国民民主党は、足場固めと知名度向上に力を入れる。

 大阪維新の会は9月に第1次公認、10月に第2次公認を発表した。府議選への立候補予定者は過半数を占める47人。市議選には37人で、現在も調整中だが過半数を狙うのは厳しい状況。

 一方で中核都市周辺の衛星市には維新の首長が増えており、今井豊幹事長は「地方から改革ののろしを上げる」と衛星市でも第1党を目指し、議会が首長を支える形を狙う。

■勝負の1人区
 自民党大阪府連は10月に大会を開き、府議選で26人の公認と2人の推薦、市議選で20人の公認の候補予定者を発表。今後も順次発表していく予定だ。

 2015年の前回選挙では、府議選で31ある1人区のうち19選挙区を維新が制しており、自民が獲得したのは10区にとどまった。花谷充愉府議団幹事長は「1人区で勝たなければならない」と力を込める。

 公明党は11月4日に開かれた総会で、府議選では15人、市議選では19人の候補予定者を紹介した。国政選挙の得票から見ると党勢が退潮傾向にある中で、「現有勢力を確実に維持する」(八重樫善幸・府議団幹事長)ため、早い段階で候補予定者、重点地区、選挙責任者を決めて活動している。

 共産党は現在、府議選に13人、市議選に19人の候補予定者を決めており、今後さらに拡大する方針。大阪府委員会本部の谷藤久選挙宣伝部長は「安倍政治、維新政治がだめと言っており、選択肢が必要」として、市議選には全区に擁立する構えで、府議選も状況を見ながら増やす。

■存在感高める
 立憲民主党は9月に大阪市中央区に事務所を開設し、セミナーやイベントを展開している。候補予定者は現在、府議選に1人、市議選に7人を決めているが、17日の大阪府連大会ではさらに拡大する見込み。党府連の木下雅勝事務局長代行は「一人でも多く擁立して存在感を高める」と意欲を示す。

 大阪での知名度が低い国民民主党は、公認が一部にとどまり、無所属推薦で戦う候補予定者が大半とみられる。不足している里親の問題で講演会を開くなど「地道に知名度を上げていく」(白岩正三大阪府連政調会長)方針だが、立憲民主とともに支持母体である連合大阪の支援をどう受けるかが課題になりそうだ。



大阪日日新聞 2018年11月10日
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/181110/20181110052.html