10月末に東京都世田谷区で、同系列の2つの保育園の保育士ら計18人が一斉に退職するトラブルが起きたが、問題の企業主導型保育園「こどもの杜」を運営する和田勝海社長(47)を「週刊文春」取材班が直撃取材した。

休園に追い込まれた上北沢駅前保育園 ©文藝春秋

――職員はなぜ退職した?

和田氏「頑張ろうと思えるものを用意できなかった」

――給料は払っている?

和田氏「うん、うん」

 退職した保育士らの証言によれば、大量退職の理由としては、残業代や賞与の未払いや、保育士不足による惨憺たる運営状況があったという。しかし、和田社長は給料の未払いについては否定した。

「0歳児8人を保育士1人が見ていたこともありました。保育士が1人増えると、社長は『あと子供を3人入れられる』と……。いつ事故が起きてもおかしくない状況で怖かった」(園を辞めた保育士)

「企業主導型保育事業」は安倍政権が待機児童対策の切り札として2016年にスタートさせた。今年3月末時点で約2600施設、園児の定員約6万人にまで拡大し、一見、待機児童問題解消に大きく貢献しているようだが、いくつもの問題が浮き彫りとなっている。

 11月15日(木)発売の「週刊文春」では、世田谷「こどもの杜」をはじめ、企業主導型保育園の問題を詳報。「週刊文春デジタル」では同日朝5時、和田社長への直撃取材の模様を収めた《完全版》動画を公開する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年11月22日号)

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