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めぐみさん拉致から41年 全員帰国へ訴え 新潟
2018年11月17日 18時56分拉致

中学1年生だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから41年がたち、母親の早紀江さんは17日、新潟市で開かれた集会で政府に対し被害者全員の帰国に向け全力で取り組むよう求めました。

横田めぐみさんは中学1年生だった41年前の昭和52年11月15日、新潟市の学校から帰る途中に北朝鮮に拉致されました。

17日は母親の早紀江さんや、母親とともに拉致され16年前に帰国した曽我ひとみさんらが参加して被害者全員の帰国を求める集会が新潟市で開かれました。

この中で早紀江さんは「新潟の海や町を見るたびに、めぐみちゃんたちと笑いあって歩いた道やお祭りで踊っていた姿などいろんなことを思い出して辛くなります。政府は『命の問題を見捨ててしまったら終わりなんだ』という覚悟で本気になって頑張っていただかないと解決できないと思います」と訴えました。

また、弟の哲也さんは「86歳になった父は入院し、母も82歳になりました。何十年も苦しい思いで闘ってきましたが、いつになれば緊張感から解放されるのかという思いでいっぱいです」と話しました。

そして曽我ひとみさんは「皆さんはお母さんと最後に交わした言葉を覚えていますか。私と母は40年前、買い物を終えてまもなく家に着くところで『誰かが後ろを着いてきているよ。早く帰ろう、いやだね』と交わしたのが最後の言葉です。我に返ったら母はいませんでした。政府にはできるだけの知恵を出していただき、1日も早く被害者全員が帰国し家族と温かい生活ができるようにしてほしい」と訴えました。

拉致問題への関心 初めて8割以下に

内閣府が去年行った外交に関する世論調査で、北朝鮮についての関心事項として「日本人拉致問題」を挙げた人は78.3%と、拉致被害者5人が帰国した平成14年以降最も低く、初めて80%を下回りました。

このうち年代別で見ますと、18歳から29歳が64.9%と最も低く、次いで30歳から39歳が67.5%、40歳から49歳が76%などとなっています。

若い世代ほど関心が低い

5人が拉致被害者として認定されている新潟県でも、若い世代で拉致問題への関心が低くなっていると指摘されています。

新潟県が県民を対象に行ったアンケート調査では、「あまり関心がない」または「全く関心がない」と答えた人の割合は、昨年度、20代から30代で7.7%、40代から50代で5.8%、60代から70代で1.8%で、若い世代ほど関心がないと答えた割合が高くなっています。

新潟県で学ぶ大学生に拉致問題をどう考えているか聞いたところ過去の出来事だと答える人もいました。

新潟市で育った21歳の女子大学生は、「小学生の時、横田めぐみさんについて学んだが、今は周りで拉致問題について話さないし、自分にとってどこか過去の出来事のような気がする」と話していました。

長野県出身の19歳の男子大学生は、「友達が『祖母から海岸に行くと拉致されると言われた』と言っていたが、その程度しか拉致問題を知らない」と話していました。

新潟市出身の別の21歳の女子大学生は、拉致問題が遠く感じる理由について「いつも『解決されないまま』と報道されているので本当に解決できるのかと思ってしまう。ただずっと関心は持ち続けたい」と話していました。
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