2013年2月に山梨県内で逮捕された宮内雄大容疑者(43)が連行中に逃走した事件で、事件解決に結びつく有力な情報の提供者に、最大100万円程度支払う懸賞金を県警OB有志が創設する。大阪府警富田林署の逃走事件がきっかけといい、近く県警と協力して運用を開始する。

 県警によると、宮内容疑者は13年2月23日早朝、山梨市の民家に侵入したとして住居侵入容疑で現行犯逮捕されたが、県警日下部署でパトカーから降ろされた際、すきを見て逃走した。県警は容疑を強盗致傷に切り替えて指名手配したものの、現在も行方は分かっていない。警察庁によると、逮捕後に逃走し、指名手配されているのは宮内容疑者だけという。

 今年8月に起きた富田林署の逃走事件で、加重逃走などの罪で起訴された男は、署内の面会室の仕切り板を壊して48日間逃げ続けた。面会室のドアの開閉を知らせるセンサーの電池を抜いていたなどの不備があったとされる。県警も、宮内容疑者に手錠を掛けず、降車時に体をつかむなどの措置を取っていなかった。

 ある県警OBは「富田林署のニュースを見て、山梨の事件と似ていると思った。歯がゆい記憶がよみがえった」と述懐。報道で、逃走事件を解決するために府警OB有志が懸賞金を創設したことを知ったといい「県警OBとしてできることはないかと考えた。(周囲には)事件に関わった元捜査員もいる。何としても捜し出したい」と語った。



毎日新聞 2018年11月14日 20時06分
https://mainichi.jp/articles/20181115/k00/00m/040/098000c#cxrecs_s