読売新聞 2018年11月19日 21時52分

鹿児島県伊佐市菱刈南浦で10月に起きた火災で、同市の伊佐湧水消防組合・菱刈分遣所のタンク車が、水を積まないまま現場に出動していたことが分かった。
火災では住宅兼倉庫が全焼したが、組合は「消火活動に影響があったかどうかは分からない」としている。けが人はいなかった。

組合によると、火災は10月23日午後9時頃に発生。同10分頃にこのタンク車が最初に現場に到着したが、放水しようとした際、消防隊員が水を積んでいないことに気付いた。
このため、近くの川から水をくみ上げるなどして、同20分頃から放水を始めた。この時、既に住宅兼倉庫の約3分の2が焼け落ちていたという。
現場では計9台のタンク車などが消火作業に当たり、約1時間後に鎮火した。

このタンク車には計2トンの水を積載でき、最大3分間の放水が可能。同月17日、エンジン故障のため修理に出しており、19日に分遣所に戻った際、隊員が水を積み忘れていたという。

組合は今月、消防長ら5人を訓告処分とした。組合の赤池俊朗次長は「あってはならないこと。点検を徹底し、二度とこのようなことがないようにしたい」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181119-OYT1T50105.html?from=ytop_main9