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 メディア研究機関の新聞通信調査会(東京都)は、戦時中の日本を代表する国際通信社「同盟通信社」の記事をまとめた「同盟旬報」のインターネットによる公開を始めた。

 同盟通信社は発足した1936年から解散した45年まで、毎日約10万字といわれた新聞向け記事を配信した。同盟旬報ができた37年からの記事を無料で閲覧できる。記事中の見出し、日付、地名、人名などのキーワードによる検索機能もあり、同調査会は研究者のほか歴史やジャーナリズムに関心のある一般の人々の利用を期待している。

 同盟通信社は、「新聞聯合社」と「日本電報通信社」(現在の電通)のニュース部門を統合して発足した。2・26事件(36年2月)から盧溝橋事件(37年7月)後の日中戦争、真珠湾攻撃(41年12月)で始まった太平洋戦争を経て敗戦に至るまでの約10年間、「国策通信社」として報道を担った。

 戦争の実態を覆い隠し、国民の戦意をかき立てる役割を果たしたと批判される一方、詳細な戦況、国内の政治、経済の動き、人事情報、国際情勢など、新聞紙面に収容できない膨大な情報量は貴重な歴史資料といえる。作家の半藤一利さんは「限られた場所だけに埋もれさせておくのは、もったいないと思っていた」と話している。

 同調査会は今後、その他の配信記事や写真ニュースの「同盟写真特報」なども順次公開する計画だ。アーカイブは同調査会のホームページ(https://www.chosakai.gr.jp)からアクセスできる。

毎日新聞 2018年11月19日
https://mainichi.jp/articles/20181119/ddm/004/040/003000c
Newswitch 2018年11月18日
https://newswitch.jp/p/15275